少なくとも有力と言えるだけの分派以上のレベルでHizbul Islam(の一部または全体)がal Shabaabを離脱する見込み。Garowe Onlineの記事がようやく出てきた:
Garowe Online Somalia: Hizbul Islam group withdraws allegiance, says 'Al Shabaab is weakened' Sep 25, 2012 - 8:10:00 PM
Hizbul Islamの広報担当が,自派は今月いっぱいでal Shabaabから離脱すると語る。この広報担当者の名はSheikh Mohamed Moallimという。この名前はかつてHizbul Islam広報担当者として記者会見を行った人物と同じであって,同一人物とみて問題ないものと思われる。
彼がいわく,Hizbul Islam-al Shabaab「連合軍は今月のみだ,そして我々は支持を引き揚げることに決した」。al Shabaabは「Hizbul Islamに敵対するプロパガンダを流した」のである。そしてHizbul Islamは「今やソマリアに関わることなら,すべてのグループとの交渉に開かれている」。al Shabaab弱体化したのだ―。
この間の事情についても記事中に簡単にまとめられている。
Hizbul Islam指導者はSheikh Hassan Dahir Aweys。彼は先週,Hassan Sheikh Mohamud大統領率いる新ソマリア政府に対する戦争を宣言したばかりだが―さしあたり,この時点でAweysさんのコメントはでていない。
しかし広報担当者は―かれはいま,ケニアにいるというのだが―Hizbul Islamの指導者たちがこの決定を発したのだと主張する。
al ShabaabとHizbul Islamとの性格の違いについては,上掲記事末尾に簡単にまとめられている。…こういうきぱっとした纏めを書きたいものだが。
曰く,al Shabaabは複数の氏族[出身者]からなるものでa multi-clan outfitであって,al Qaedaおよび国際的テロリズムとリンクしている。他方Hizbul Islamは氏族ベースa clan-basedの武装集団であって,Sheikh Aweysおよび彼のHabar Gedir支族(Hawiyeの支族ですかね)に基盤を持つ。
PressTV Hizbul Islam quits al-Shabab, alliances shift in Somalia Sep 25, 2012
Press TVをソースに物を語るのは大冒険というべきだろうが―Moallimは,ソマリア政府と合意するための条件は,新政府がイスラム的であるべきことその一点であると語ったという。本当にこの一点に限るというなら,これ以上の譲歩はありえないほどの好意的態度とさえいえよう。
また,Aweysが,al Shabaabが民間人を好きに殺害する点(また国際的テロ集団と関係を持つ点)に異論を述べ続けてきたこと,言及がある。
これは上掲Garowe Onlineのまとめとつき合わせると,いかにも説得力があるのである。つまりal Shabaabは自分たちの国際的な大義のため,多少の地元民の犠牲は止むを得ないもの犠牲の発生についてハードルが低いが―Hizbul Islamとすれば,その止むを得ない付随的被害というのは我が兄弟の死であって,相当なストレスになるのである。
これはイラクでも起こったことであって,そう言う意味でもIraq-styleであるなあと思われる。
Sabari Hizbul Islam splits with al-Shabaab Sep 24, 2012
BBCを根拠にしつつ,Hizbul Islamの離脱を報じる。Moallin(sic.)が,ソマリアに平和をもたらそうとするいかなるグループとも対話を開始するであろう,自分たちはal Shabaabと同じイデオロギー・政治思想を持つものではないと語ったとする。
3月遅くに,Aweysはal Shabaab指導部の行動をイスラムからはるか隔たったものと断じたという。「私はal Shabaab内のわがjihadistの兄弟たちに警告しよう,Somali国民の血を流させ,無辜の市民をイスラムの名のもとに殺すことに反対せよと」―支持者に語ったという。
→ Sabari Al-Shabaab member criticises group's leadership April 01, 2012
multi-clan状態は,必然的に国際テロ集団になるってわけではなく,国民運動の基盤となり得る可能性はないではなかった(少なくとも理屈としては)だろうけど,まあ,こうなっちゃいましたねーって感じ。
「現代ソマリアのお勉強:最近の記事で学ぼうARSとUICとal Shabaab」2008-10-06
「アルシャバブとヒズブル・イスラムとの性格の差」2009-10-03
いちおう,al Shabaabのなかのひとだって,南部出身者は南部の栄養状態を心配したりしてたのですよねー:
「アルシャバブはアルカイダ傘下に」2012-02-11
「国際的な正義」の名のもとに―まあ,AMISOMその他は民間人の被害をも発生させてきたんでしょうが,同様の「国際的正義」に加えて「永遠絶対の神」の名のもとに民間人を殺したり強制移住させてみたり食糧流入を阻止してみたりで”オレの地元”を荒らしまくってるのは一体誰だ,と,地元民としては思いたくなるだろう,うん。
せやなー…。
Garowe Online Somalia: Hizbul Islam group withdraws allegiance, says 'Al Shabaab is weakened' Sep 25, 2012 - 8:10:00 PM
Hizbul Islamの広報担当が,自派は今月いっぱいでal Shabaabから離脱すると語る。この広報担当者の名はSheikh Mohamed Moallimという。この名前はかつてHizbul Islam広報担当者として記者会見を行った人物と同じであって,同一人物とみて問題ないものと思われる。
彼がいわく,Hizbul Islam-al Shabaab「連合軍は今月のみだ,そして我々は支持を引き揚げることに決した」。al Shabaabは「Hizbul Islamに敵対するプロパガンダを流した」のである。そしてHizbul Islamは「今やソマリアに関わることなら,すべてのグループとの交渉に開かれている」。al Shabaab弱体化したのだ―。
この間の事情についても記事中に簡単にまとめられている。
Hizbul Islam指導者はSheikh Hassan Dahir Aweys。彼は先週,Hassan Sheikh Mohamud大統領率いる新ソマリア政府に対する戦争を宣言したばかりだが―さしあたり,この時点でAweysさんのコメントはでていない。
しかし広報担当者は―かれはいま,ケニアにいるというのだが―Hizbul Islamの指導者たちがこの決定を発したのだと主張する。
al ShabaabとHizbul Islamとの性格の違いについては,上掲記事末尾に簡単にまとめられている。…こういうきぱっとした纏めを書きたいものだが。
曰く,al Shabaabは複数の氏族[出身者]からなるものでa multi-clan outfitであって,al Qaedaおよび国際的テロリズムとリンクしている。他方Hizbul Islamは氏族ベースa clan-basedの武装集団であって,Sheikh Aweysおよび彼のHabar Gedir支族(Hawiyeの支族ですかね)に基盤を持つ。
PressTV Hizbul Islam quits al-Shabab, alliances shift in Somalia Sep 25, 2012
Press TVをソースに物を語るのは大冒険というべきだろうが―Moallimは,ソマリア政府と合意するための条件は,新政府がイスラム的であるべきことその一点であると語ったという。本当にこの一点に限るというなら,これ以上の譲歩はありえないほどの好意的態度とさえいえよう。
また,Aweysが,al Shabaabが民間人を好きに殺害する点(また国際的テロ集団と関係を持つ点)に異論を述べ続けてきたこと,言及がある。
これは上掲Garowe Onlineのまとめとつき合わせると,いかにも説得力があるのである。つまりal Shabaabは自分たちの国際的な大義のため,多少の地元民の犠牲は止むを得ないもの犠牲の発生についてハードルが低いが―Hizbul Islamとすれば,その止むを得ない付随的被害というのは我が兄弟の死であって,相当なストレスになるのである。
これはイラクでも起こったことであって,そう言う意味でもIraq-styleであるなあと思われる。
Sabari Hizbul Islam splits with al-Shabaab Sep 24, 2012
BBCを根拠にしつつ,Hizbul Islamの離脱を報じる。Moallin(sic.)が,ソマリアに平和をもたらそうとするいかなるグループとも対話を開始するであろう,自分たちはal Shabaabと同じイデオロギー・政治思想を持つものではないと語ったとする。
3月遅くに,Aweysはal Shabaab指導部の行動をイスラムからはるか隔たったものと断じたという。「私はal Shabaab内のわがjihadistの兄弟たちに警告しよう,Somali国民の血を流させ,無辜の市民をイスラムの名のもとに殺すことに反対せよと」―支持者に語ったという。
→ Sabari Al-Shabaab member criticises group's leadership April 01, 2012
multi-clan状態は,必然的に国際テロ集団になるってわけではなく,国民運動の基盤となり得る可能性はないではなかった(少なくとも理屈としては)だろうけど,まあ,こうなっちゃいましたねーって感じ。
「現代ソマリアのお勉強:最近の記事で学ぼうARSとUICとal Shabaab」2008-10-06
「アルシャバブとヒズブル・イスラムとの性格の差」2009-10-03
いちおう,al Shabaabのなかのひとだって,南部出身者は南部の栄養状態を心配したりしてたのですよねー:
「アルシャバブはアルカイダ傘下に」2012-02-11
「国際的な正義」の名のもとに―まあ,AMISOMその他は民間人の被害をも発生させてきたんでしょうが,同様の「国際的正義」に加えて「永遠絶対の神」の名のもとに民間人を殺したり強制移住させてみたり食糧流入を阻止してみたりで”オレの地元”を荒らしまくってるのは一体誰だ,と,地元民としては思いたくなるだろう,うん。
民間人の犠牲に関してスタンスが異なるのもむべなるかな、といった感。
— ソマリア・ヲチャさん (@somalia_watcher) 9月 26, 2012
せやなー…。
だんだん勢力を減らしていってるあたり超そっくり
…Aweysに政治家としての覚悟と力量が備わっていれば,ここ10年くらいのさまざまな悲劇の一定部分は避けられたかもなーとか思うと,もっと似ていればよかったのにとか思ったり。