空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

自然の法人格を認めるかどうか、認めるとしたらどのようにかーニュージーランドの例

2019-03-20 17:27:52 | ノート
NewsWeekJapan 環境が「人権」をもち、破壊を逃れるために人間を訴える時代がやってきた 2019年3月18日(月)18時52分 ミフネア・タナセスク(ブリュッセル自由大学政治学部研究員)

今世紀の初め、大自然に対し法的な権利を認めるという考えは環境法の専門家からも世論からもまともに相手にされなかった。

ところが今では、ニュージーランドのワンガヌイ川には法的な人格が認められているし、インドのガンジス川にも先ごろ、「人権」が認められた。エクアドルは憲法で、自然には「完全に尊重される権利」があると定めている


 ところがその川もなにも喋りもしないので、代理人を立てる必要があるわけだ。ところでこの代理人には、いったい誰がなれるのだろう―という問題が。

その点、優等生なのがニュージーランドだろう。同国では2017年3月に、自然に権利を付与する法律が初めて制定された。

人格をもつ権利が認められたのは広い意味の自然ではなく、同国北部を流れるワンガヌイ川だ。これによりワンガヌイ川は、訴訟の当事者となる権利をもつこととなった。

ニュージーランドの法律ではまた、川の代理人になるための要件も定められた。川の権利のために戦ってきた先住民社会の代表からなる委員会と、英女王(ニュージーランドは英連邦に加盟している)の代理人だ


 他方で一般的に自然に法人格を認める場合「また、自然の代理人たる要件を明確に定めていないがために、法律が乱用される可能性もある。理論的には、石油会社がエクアドルの石油資源を守るために、自然の権利を口実に裁判を起こす可能性もある

 広範な同意を調達し、かつ安定的に継続し、さらには付随被害が少ないのはニュージーランド式と思う。この場合はしかし、法人格を獲得できる自然の数・範囲がすくなさそうという問題はあるが。

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