人文学・社会科学の科研費の審査について話題になっているようだけど、昔なかなか科研費に応募しない同僚に理由を聞いたことがある。そのときの答えは、〇〇学派ではないので応募しても採択さられないというものだった。
— kuma-cha (@SfumatoAMR) 2018年3月9日
二昔前ならいざ知らず、今は制度的に無理なんじゃないかな?他領域は知らないが、歴史学は申請数多いこともあり、仲間とか友達とか知り合いとかそんなの気にしてる余裕なく順位づけをやってる印象はある。
— nasastar (@nasastar) 2018年3月9日
我が分野(詳細は秘す)での例だが、『学派で選んでいるなら、コイツにあたることはないwwww』という例が混じっていたりするので、少なくとも我が分野ではそう確定的な条件ではないものと思われる(まあ分野によるかもしれない)。
そもそも”学派”にも複数あるだろう、そうすると「俺たちはあいつらが嫌いだ(点を低くつけてやれ)」が起こるとすると、相互に低評価を付け合い、自分の学派には高評価をつけ、結果として平均値に均される。なので学派に所属しない人が漁夫の利を占めるオチにいたる恐れがある。この点からも、おとなしく合理的な点つけをせざるをえない動機付けが得られる。
ただ相対評価なため、多くの審査者が「優先的に資金を回さなくてもいい」と判断するテーマやアプローチはあるかもしれない。既にあるものの焼き直し的なものとか、成果が明確じゃないものとか。その辺を持って主流派ではないから出しても意味がないと判断する人はいるかもね
— nasastar (@nasastar) 2018年3月9日
そんななかでも、主流派Aから「…まあ、そう悪くはない、2な」、主流派Bから「オレが嫌いな主流派Aの人物よりは上と言ってやってもよい、3」、主流派Cから「ほーん、まーがんばっとるんやないか? 3で」、非主流派Dから「…まあ4ではないよ、4では。そこまで有望なテーマでもないし。3だな」という評価をうければ、多分、いい確率で取れる。
つまり、あきらかに「1」といわれるような水準ではなく、確実に「2」以上の評価を受けられる、ひょっとすると(存在するかもしれない政治の暗闘の隙間をくぐりぬけて)「3」を二つか三つもらえるような水準に達すれば、わりといける。
この辺、たぶん、基盤Cと基盤Aでは事情が違うかなと。まあ、学派が異なると使う用語も違ったりしますから、その辺で特定の学派が弾かれやすい状況が起きたりするというのもありそうですけども。
— おとうさん (@oyaziMK2) 2018年3月9日
伝説的にきいたネタだと、「シャーマン」と「シャマン」で東大だか京大だか分かれるとかなんとか。
まあ、基盤Cなら学者共同体の健全性確保のためにも、論敵側の学派に属していても有能ならカネを分配してやろう!という理性は働きやすいのではないだろうか。基盤Aは…私には分らない世界だから…パス。コワいし、あの額は。
でまあ、非主流派所属だと、BとかAとか組む人数を集めること自体、難だし。自然、若手Bとか基盤Cとかということになるかと思う。そしてこの予算規模だと、そりゃあまあ有力大学のひとには当たりやすいだろうが、それはなにしろ業績はあるし人数も多いし。確率的に納得もできるかなあとか思う私。
他方で、有力でない大学所属のひとにこそ点数を高くつける―と公言する先生もいたりして、なんやかやで多様性はそれなりに維持されていると信じる。うん。
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