空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

嘗ての同盟者たちはいまや相互に武器を構えて

2009-05-05 16:20:01 | ソマリア関連
Garowe Online Somalia: Former allies involved in Mogadishu skirmish May 4, 2009

 いよいよ本格的にそんな時期がやってきました感。ソマリア,モガディシュ発5月4日。モガディシュ北部の元パスタ工場(重要地点のようで,これまでも何度も話題となってきたところ)の支配権をめぐって,月曜日,イスラミスト諸派間に戦闘が発生。パスタ工場は現在,かのYusuf Indha Adeの支配下にある由。

 Yusuf Indha Ade! かの「悪名高き」Indha Adeです! 本blog過去記事を「悪名高き」で検索すれば,彼の枕詞としての用例が圧倒的なはず。下shabelleをかつて支配した悪名高き軍閥の長,かつてイスラム法廷勢力に助力し,UICがモガディシュを確保する決定打になったという,戦闘力については折り紙をつけてよいだろう彼。

 彼は,長くAweysの親密な政治的・軍事的協力者であったところ,最近,Sheikh Sharifの合同政府に鞍替えしまして,Aweysとは袂を別った格好。

 そのIndha Ade配下の民兵が守備するパスタ工場向けて,アルシャバブと「イスラム党」が進んできたのです―先月,「イスラム党」を離脱した裏切り者どもの支配地域へ。

 なお,Indha Adeとは別にSheikh Hassan Ali "Amey"なる人物が率いる一派も「イスラム党」を離脱した由。Indha Ade派は最近,政府から給金をもらったとも言われるようです。そうして武器弾薬を買い集め,彼のもとの支配地域,下Shabelleをアルシャバブから奪還しようとしているというのです。


 今後の注目点は―Indha Ade(の部隊)に政府側が適切な轡をはめることができるかどうか。一応,イスラム法受容を見て政府側に鞍替えした―と,イスラミストの態度を示してはいますが,Indha Ade派には,自派の戦略でいろいろ動かしかねない不安は残るかと。

 市民の反応も気がかりです。下Shabelle県の人たちとしては「アルシャバブもIndha Adeもいらない,我々には統一ソマリア政府が必要なのだ(それがともあれソマリアの独立を護りソマリ人に安定した生活を保障する限りの)」といったところかと思われますが,さてIndha Adeが戻ってくるとなれば,暫定政府支持はどれだけ揺るぐだろう?

 尤も,現状,湯水のようにお金をソマリアに引っ張ってこれてる当の者はSheikh Sharifなわけで。Sheikh Sharifがこうした権益分配力を保持し続ける限り,「大親方」として認められるではありましょう。いくら中間のとはいえ,スポンサー様に目立って逆らうわけにはいきますまい。

 まあ私もそこそこ大人しくしてますよ?

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