空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

「右派」も「左派」も相互に縄張りを荒らさない暗黙の了解でもあるんじゃないのか

2018-11-17 23:30:45 | ノート
文春オンライン 日本で「ウイグル問題を報じづらい」3つの深刻な理由 2018/11/13 安田 峰俊

日本でのウイグル人の民族運動の多くは、2008年の発足当初から「反中国」を理由に右翼・保守勢力と共闘する形を取っている。こうした団体に関係している在日ウイグル人活動家には、日本人支援者への忖度もあるのか、ウイグル情勢について過剰に話を演出したり、日本国内の特定の政治思想におもねるような言説を繰り返す例も少なくない

もちろん、右翼でも左翼でも宗教団体でも、深刻な人権問題を解決するために行動しているなら構わない、カネや政治力を持つ組織と亡命ウイグル人が共闘するのも仕方ないという見方もある

ただ、過激な右翼色や新宗教色が強い勢力がバックに控え、ウイグル人活動家自身も支持者の政治的主張をコピーした言動を繰り返したり、新宗教団体の広告塔に使われたりしているとなると、報道が極端なイデオロギーや新宗教思想の宣伝につながることを懸念する一般メディアや記者が取材を手控えるのも納得できる話ではある

ついでに言えば、日本においてウイグル問題は長年にわたり右翼・保守勢力の主張のパッケージに組み込まれ、「反中国」のアイコンにされてきた歴史があるので、ネットで「ウイグル」を検索するとネット右翼的な人たちのツイートやブログ・YouTube動画ばかりが引っかかって、扇動的な情報が異常に多く表示されるという問題も起きている

 とまあ、これはこれで納得の行く理由。

 じゃあ、「なんで人権派のひとたちは、そもそもウイグル問題に関わらないの?」という疑問がわいてくるだろう。
 まあ、マンパワーがたりないという意見はありえるが、だったらふつう「保守」のほうが数が多くなりそうなものだ、「保守」の手はもっと手広くあるのが当然ではないか―なんて意見もありえる。

 一足飛びに仮説・結論にとびつけば、『いわゆる右派も左派も、それぞれ、”自分のテリトリー”、”自派のテリトリー”を商売のタネとして確保して、相互に”そっち”には手を出さないという暗黙の了解を持ち合っているんじゃないのか』というのではないのか。

 それはそれで、国論を危うくするので、左右に偏らない報道をしてほしいなあという要望がでるのではないのかなあ。

 なんかこう、「専門」をひとりぎめして、そこに安穏と生きていくのは、視野狭窄に陥りもするのではないのかなあと思うのだが。

 必要があれば論じるし、報道するものなのであって、それが左派の得意技だとか、右派の好む領域だとかは、それはその問題を扱うに際して無関係な事情だと思うのだ。個々のテーマにあわせるのは、まあ具体的な個人だから当然のことだが―なんでこうも地域ごとに右派左派がすみわけするんだ、という疑念は、なかなか解決しないのじゃないか。

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