空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

古典を読む:「社会科学的認識の芽がわれわれのなかで育ってくる最初の結節点は…」

2017-10-25 18:31:44 | ノート
 担当科目が増えることが確定したとの判断は、もしか、覆されるかもしれない。上層部のさらなる高度な判断を要することなのだが、もしもうまくいけば、優秀な若手に、わずかながら道を開くことができるかもしれない。

 そんな期待にあまりにも浮き立ち、にっこにこで学内を歩き回った私です。

 さて

社会科学的認識の芽がわれわれのなかで育ってくる最初の結節点は、われわれ一人一人が決断と言う行為に迫られることです。決断、賭けということがあって、はじめて事物を意識的かつ正確に認識するということが、自分の問題になってきます。事物を客観的に認識してゆくためには、断片をどう処理すればいいかというような、社会科学的認識の方法の端緒すらそこに生まれてきます」(内田義彦『社会認識の歩み』p.44)

 という言葉を読んだ後、以下のニュースを見ると味わい軽い:

Biglobeニュース ウーマン村本、衆院選投票せず、を告白 行かなかった人の理由を可視化させたいと 10月24日(火)16時33分 J-CASTニュース

「たった3週間でいい政党悪い政党判断できない」ことも理由

 生後三週間の人には選挙権は認められていないので、特段の問題にならないと思う。20歳以上であれば、先の衆院総選挙から2年少々。先の選挙の際には仕方ないにせよ、それ以後、何をどう見ていたのだろう。 

お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん(36)

 …36歳。『興味を持ち始めたのはこの三週間です』という宣言は、つまり『投票する権利ができてから16年。いままでニュースも見ていなかったニワカです』『いままで社会について考えたことがありませんでした』という告白であり…も少し、控えめに言ってみてはどうだろう。



 本人としては時代の点景、時代に一石、という意識でしたことだろうが、そう思っているということと、そう出来ているということとは大きな違いがあるんだよユリアン、という感じ。端的に、甘えの構造、ともいえるが。

 でまあ、選択・決断を放棄して、社会を認識する端緒をひとつ確実に放棄したわけだ―棄権が、なにかオリジナルなアイディア、特別な結果を生み出すアイディアだと思ったのだろうが―



 ―ということで、実践もしてみるといいよ、というわけなのだ。その中から、何か学んでいくから。蓄積をせず、『投票して欲しければ、36にもなってニュースを見て情報蓄積をしたことさえない自分にもあっという間に興味がわくような、そんな情報提供をして見せろ、興味ないから、普段情報提供されていてもまったく見てないわけだがな!』との旨、言い放つあたり、なんというかなんというか。

 まあ、こういう態度はどこでもありえるので、この当人を(直接)叩いてもあまり意味はないだろう。こうして事例研究のタネになってくれるだけ、ありがたいことだと思っておくことにする。

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