一昨日ですかね,BBCで見ましたが:
BBC Aid workers kidnapped in Ethiopia 23 September 2008
2名のMedecins du Monde所属エイドワーカーがエチオピア,オガデン地方で誘拐され,目撃証言によれば中部ソマリアGalguduudに連行された。外国人誘拐なんてありふれた事で,日本でも特に報道なく(いつもの事だ)スルーかと思いきや,うち1名が日本人だそうで(いまひとりはオランダ人の由),突如100件ほどのニュースがでる事態に。
AFP エチオピアで拉致の2人、身元は日本人とオランダ人 2008年09月25日 20:46 発信地:アディスアベバ/エチオピア
通例,身代金目的ですので,生命は無事である可能性が高いです。…「外国人である」ことを理由に殺害されるのは,ソマリア本土で地元に密着した援助活動・教育活動を行っている場合です。
なお,外国人ないし外国籍人であっても,イスラム教徒である場合,無事に(身代金支払もなしに)解放されることがあります。逆にソマリ人であることが明らかであっても,外国の援助団体と連絡のある人物の場合,老人だろーがなんだろーがさっくり殺されます。
不幸中の幸いというか,今回の被害者はお医者さんと看護士さんということで,体調不良等々による危機もある程度危険性は低い,かとも思われます。
なお,現在首都モガディシュでは反乱勢力側がアフリカ連合平和維持軍相手に大攻勢の真っ最中でして:
BBC Thousands flee Somali bombardment 24 September 2008
避難民が18000ほども発生している由。
これまで,イスラミスト勢力はAU軍への攻撃は控えて来てまして,AU軍基地近くには民間人がわりと安心して生活していた模様。今回,敢えて攻勢かけますのは,エチオピア軍撤退が現実味を帯び始めている現在,自己の軍事力を誇示する意味があるかというところ。
AU軍の声明では,現在までのところ重火器heavy armsの使用は手控えているそうですが,今後その点,考え直す可能性を示唆。
…AU軍のいうことを信じれば,先日AU軍基地近くの家屋に連発で着弾した迫撃砲は,イスラミスト側のものということになる…のですかね。一家5人を叩き潰し,助けに飛び込んだ隣人2名を殺害した,ある意味では見事な砲撃は。
上掲記事には専門家の意見も書いてありますので,興味のある方はご一読を。
今後の見通しとしては,ジブチ合意の行く先が気になる,というところでしょうか。ソマリア再解放連盟(ARS)のジブチ派がソマリア暫定政府と合意に達すれば,南部ソマリアの一定程度の勢力が"権力側"になるでしょう―ジブチ派はARS議員総数の半分以上を占める―。
合意が得られれば,『エチオピア軍の撤退』は現実のものになります(その建前です)。反政府勢力が戦う理由の,その大きな一つが解決するわけです。
勿論,反政府勢力としては,最大の『重し』がなくなる好機に最大の戦闘力を発揮,一気にソマリアの軍事的支配を達成するという選択肢もありますが。
どのシナリオが実現するかは未来の話。何れにせよ「ジブチ合意の行方」「エチオピア軍の動向」「反乱側の軍事力行使」に注意すべきことには変りありません。
私としては,この情勢の不穏が一日も早く解消されるようにと思うわけなのです。でないと,冒頭の事件のような犯罪行為が野放しになってしまいますから。
そしてそれは,ソマリ人全体の不利益に繋がるわけなのですから。
…オガデン地方って,基本的にソマリ人地区なんですよね。『オガデンで援助団体関係者が誘拐される』→『オガデンでの援助団体活動差し止め』,これですぐさま直接に危険にさらされるのはオガデンのソマリ人じゃないかと。
そんなことを(まず間違いなく)ソマリ人自身が行っている。これは単なる犯罪以上のものですから。
BBC Aid workers kidnapped in Ethiopia 23 September 2008
2名のMedecins du Monde所属エイドワーカーがエチオピア,オガデン地方で誘拐され,目撃証言によれば中部ソマリアGalguduudに連行された。外国人誘拐なんてありふれた事で,日本でも特に報道なく(いつもの事だ)スルーかと思いきや,うち1名が日本人だそうで(いまひとりはオランダ人の由),突如100件ほどのニュースがでる事態に。
AFP エチオピアで拉致の2人、身元は日本人とオランダ人 2008年09月25日 20:46 発信地:アディスアベバ/エチオピア
通例,身代金目的ですので,生命は無事である可能性が高いです。…「外国人である」ことを理由に殺害されるのは,ソマリア本土で地元に密着した援助活動・教育活動を行っている場合です。
なお,外国人ないし外国籍人であっても,イスラム教徒である場合,無事に(身代金支払もなしに)解放されることがあります。逆にソマリ人であることが明らかであっても,外国の援助団体と連絡のある人物の場合,老人だろーがなんだろーがさっくり殺されます。
不幸中の幸いというか,今回の被害者はお医者さんと看護士さんということで,体調不良等々による危機もある程度危険性は低い,かとも思われます。
なお,現在首都モガディシュでは反乱勢力側がアフリカ連合平和維持軍相手に大攻勢の真っ最中でして:
BBC Thousands flee Somali bombardment 24 September 2008
避難民が18000ほども発生している由。
これまで,イスラミスト勢力はAU軍への攻撃は控えて来てまして,AU軍基地近くには民間人がわりと安心して生活していた模様。今回,敢えて攻勢かけますのは,エチオピア軍撤退が現実味を帯び始めている現在,自己の軍事力を誇示する意味があるかというところ。
AU軍の声明では,現在までのところ重火器heavy armsの使用は手控えているそうですが,今後その点,考え直す可能性を示唆。
…AU軍のいうことを信じれば,先日AU軍基地近くの家屋に連発で着弾した迫撃砲は,イスラミスト側のものということになる…のですかね。一家5人を叩き潰し,助けに飛び込んだ隣人2名を殺害した,ある意味では見事な砲撃は。
上掲記事には専門家の意見も書いてありますので,興味のある方はご一読を。
今後の見通しとしては,ジブチ合意の行く先が気になる,というところでしょうか。ソマリア再解放連盟(ARS)のジブチ派がソマリア暫定政府と合意に達すれば,南部ソマリアの一定程度の勢力が"権力側"になるでしょう―ジブチ派はARS議員総数の半分以上を占める―。
合意が得られれば,『エチオピア軍の撤退』は現実のものになります(その建前です)。反政府勢力が戦う理由の,その大きな一つが解決するわけです。
勿論,反政府勢力としては,最大の『重し』がなくなる好機に最大の戦闘力を発揮,一気にソマリアの軍事的支配を達成するという選択肢もありますが。
どのシナリオが実現するかは未来の話。何れにせよ「ジブチ合意の行方」「エチオピア軍の動向」「反乱側の軍事力行使」に注意すべきことには変りありません。
私としては,この情勢の不穏が一日も早く解消されるようにと思うわけなのです。でないと,冒頭の事件のような犯罪行為が野放しになってしまいますから。
そしてそれは,ソマリ人全体の不利益に繋がるわけなのですから。
…オガデン地方って,基本的にソマリ人地区なんですよね。『オガデンで援助団体関係者が誘拐される』→『オガデンでの援助団体活動差し止め』,これですぐさま直接に危険にさらされるのはオガデンのソマリ人じゃないかと。
そんなことを(まず間違いなく)ソマリ人自身が行っている。これは単なる犯罪以上のものですから。
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