「「安全」と「安心」ネタ(2016-04-19)」の一環。
東洋経済 小池都知事、「安全だが安心ではない」の欺瞞 「情」に乗じて扇動する手法には限界がある 2017年03月22日 岡本 純子
「築地市場の豊洲への移転問題が紛糾している。小池百合子東京都知事は「豊洲は安全だが、安心ではない」という論拠で、移転を棚上げにしているが、なぜ「安全」は「安心」に勝てないのか」
「ここでいう安全とは科学的、法的な安全性のことだが、「安心」とは何か。小池知事はこう述べている。「法律が求める安全性の確保、それに加えて、都民、そして国民が安心できる市場を実現するということ。法的な問題については法令を上回る措置を講じるということが東京都の意志」「消費者の理解と納得を得たとき、安心は確保されるもの」」
2ページ目に
「2つ目のポイントは「人は基本的に変化を恐れる」ということだ。「築地市場は現に営業を行っている。多くの市場関係者が胸を張って日々働いていて、築地市場は法令上安全で、都民の絶大な信頼を得ているという2つの意味において安全・安心だと思う」「(築地は)現に今日も営業している。消費者の安心の証明だ」」
朝日新聞 築地「健康に影響ない」 小池知事、土壌汚染巡り答弁 2017年3月2日23時37分
「東京都の築地市場で土壌汚染の可能性を都が指摘していた問題について、小池百合子知事は2日の都議会一般質問で「人の健康に影響を与えることはないと考えている」と述べ」
「小池氏は「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」とも述べた」
しかし
「自民会派内では「(汚染問題で揺れる)豊洲市場もコンクリートで覆われており、築地と同じだ」との議論があった。築地と豊洲の安全基準が異なるようにもとれ」
堂々のダブルスタンダードを展開する都知事ではある。
「都の専門家会議の平田健正座長は」豊洲は「「科学的には安全」としている。一方で、「科学的な安全と、人の心の安心は違う。(現状では)一般の消費者が納得してくれない面はある」とも認める」。
専門家は情報とそれに基づく専門家的な判断を提示する。これに対して政治家は政治的判断を下す。3月10日段階ではゆれていたようにも見えるが:
日経新聞 小池知事、豊洲市場の安全性「消費者が合理的か疑問」 2017/3/10 17:49
「東京都の小池百合子知事は10日の記者会見で、豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策について「消費者が合理的に考えてくれるかクエスチョンマークだ」と述べた。豊洲市場は土壌汚染対策法に基づく安全基準を満たしているが、築地市場(中央区)からの移転を受け入れない消費者がいるとの認識を示したものだ」
18日頃までに、「安心」優先に舵をきったらしい。
産経新聞 示された「科学的知見」 有害物質の数値、今後下がる可能性を示唆…「安心」重視の小池知事の判断焦点 2017.3.19 22:42
「一方、小池氏が食の安全に加え、こだわるのが「安心」の観点だ。モニタリングは法的な義務づけはないが、土壌汚染対策の効果を検証するため「安全の上に安心を積み上げる」として都が行ってきた。盛り土問題などで豊洲への信頼が揺らぐ中、モニタリング結果に対する業者や消費者の理解がなければ、豊洲の「安心」につながらないとするのは一貫した主張といえる」
これに対しては石原慎太郎氏のコメントを引用したい:
デイリースポーツ 慎太郎氏、小池知事への怒りの大演説「文明国家の恥だ」「非常に不可解」 2017.3.20
「土壌汚染の専門家が豊洲の安全性を指摘していると主張し「日本の土壌汚染の専門家の権威も言っているが、人間の英知の結晶である科学が、風評の前に負けるのは文明国家として恥だ。小池さんはすみやかに決断して移転すべきだ」と訴えた」
「小池氏の移転延期を決めたことに対し「延期を議会にもはからずに発表したのは、議会軽視の最たるものだと私思いますよ。議会にもメンツがある。知事1人で、膨大な予算がともなうことを。かつてピラミッドの頂点にあった人間としては、非常に不可解だ」」
「「これは彼女の不作為の責任が問われる」と断じ、「私は裁可した責任で民事訴訟も起こされているが、荒唐無稽な話で、日本の法治国家で考えられない」」
寧ろ移転できないことで生殺しになっていることも問題とされるべきだ、という指摘もある。なるほど、石原氏が訴追されなければならないなら、小池氏も同様に訴追されるべき、ということになろう(されるべきではないだろう、それは民主主義のコストだ、というのが公式見解と思うが)。
既に14日までに「安心」優先は確認されていたようだ:
産経新聞 「安心のため法令以上の措置」 豊洲市場の安全性…小池氏が都議会自民と論戦 2017.3.14 19:33
14日の議会で「小池氏は「安心のために法令を上回る措置を講じるというのが議会、都庁で決めたことだ」と指摘し、「それを徹底し、信頼を確保しようというのが私の決意だ」と答弁した」
「崎山氏は築地について建物6棟の耐震不足や、大雨時にマンホールから水があふれるなどの老朽化を指摘。売り場が外部から遮断されていない「開放型」の市場でネズミなどが確認されているとし、安全・安心について見解を求めた。
小池氏は「さまざまな課題を抱えているが安全と考えている。長年にわたって勝ち得た築地ブランドという安心もある」と強調した」
…俗な表現では、自民党憎しのあまり、依怙地になっているんじゃないか、というふうにも見える。が、いまさら判断を揺らすと、支持率に影響しそうでもあり、選挙に勝つという点にかけてば、小池氏の判断は合理的ではないか、とも。依怙地になっているだけのあほと思うと、その思いがその人の足をすくうであろうぞ、とは思う。
注意したい点は「長年にわたって勝ち得た築地ブランドという安心もある」と強調した」というところ。つまり、豊洲というブランドを新たに構築していく気はないんだな? いままで誰かが築き上げてきたブランドに乗るだけか? 先人のつくり出したブランドに乗るという決断をするのも、まあしばしば正しいだろうが、今後より厳しい安全安心基準で評価されていくだろうこの流れで(彼女が自分で作り出しつつある価値でもある)、過去の栄光にたよる一方の判断を示すのは、どうも自縄自縛の判断のように思う。
この点は大胆に決断を下した石原慎太郎氏のほうが、進取の気性に優れていると評価せざるを得まい。
「民主主義」を錦の御旗に、「みんなの合意」を錦の御旗にし、それで正統性を確保しつつ、いったい何がなされているのか―ということは考えたい。
なお石原氏の病気については:
「経済の政治化、とでも表現できるか」とメモしたが、まあなにやら他に「精神医学の政治化」みたいな風潮も一部に見られ、(「素の差別発言(を意図してないと主張するが、そのように受け取られ得るもの)であった」また「所謂「リベラル」の緩慢な自殺の図(2)」;「所謂「リベラル」の緩慢な自殺の図」)、政治的な反対者・非同調者を狂人なりなんなりとみなして排除する習慣がわりと根付いたのかなあとか、暗く思う昨今。
東洋経済 小池都知事、「安全だが安心ではない」の欺瞞 「情」に乗じて扇動する手法には限界がある 2017年03月22日 岡本 純子
「築地市場の豊洲への移転問題が紛糾している。小池百合子東京都知事は「豊洲は安全だが、安心ではない」という論拠で、移転を棚上げにしているが、なぜ「安全」は「安心」に勝てないのか」
「ここでいう安全とは科学的、法的な安全性のことだが、「安心」とは何か。小池知事はこう述べている。「法律が求める安全性の確保、それに加えて、都民、そして国民が安心できる市場を実現するということ。法的な問題については法令を上回る措置を講じるということが東京都の意志」「消費者の理解と納得を得たとき、安心は確保されるもの」」
2ページ目に
「2つ目のポイントは「人は基本的に変化を恐れる」ということだ。「築地市場は現に営業を行っている。多くの市場関係者が胸を張って日々働いていて、築地市場は法令上安全で、都民の絶大な信頼を得ているという2つの意味において安全・安心だと思う」「(築地は)現に今日も営業している。消費者の安心の証明だ」」
朝日新聞 築地「健康に影響ない」 小池知事、土壌汚染巡り答弁 2017年3月2日23時37分
「東京都の築地市場で土壌汚染の可能性を都が指摘していた問題について、小池百合子知事は2日の都議会一般質問で「人の健康に影響を与えることはないと考えている」と述べ」
「小池氏は「コンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法などの法令上の問題もない」とも述べた」
しかし
「自民会派内では「(汚染問題で揺れる)豊洲市場もコンクリートで覆われており、築地と同じだ」との議論があった。築地と豊洲の安全基準が異なるようにもとれ」
堂々のダブルスタンダードを展開する都知事ではある。
「都の専門家会議の平田健正座長は」豊洲は「「科学的には安全」としている。一方で、「科学的な安全と、人の心の安心は違う。(現状では)一般の消費者が納得してくれない面はある」とも認める」。
専門家は情報とそれに基づく専門家的な判断を提示する。これに対して政治家は政治的判断を下す。3月10日段階ではゆれていたようにも見えるが:
日経新聞 小池知事、豊洲市場の安全性「消費者が合理的か疑問」 2017/3/10 17:49
「東京都の小池百合子知事は10日の記者会見で、豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策について「消費者が合理的に考えてくれるかクエスチョンマークだ」と述べた。豊洲市場は土壌汚染対策法に基づく安全基準を満たしているが、築地市場(中央区)からの移転を受け入れない消費者がいるとの認識を示したものだ」
18日頃までに、「安心」優先に舵をきったらしい。
産経新聞 示された「科学的知見」 有害物質の数値、今後下がる可能性を示唆…「安心」重視の小池知事の判断焦点 2017.3.19 22:42
「一方、小池氏が食の安全に加え、こだわるのが「安心」の観点だ。モニタリングは法的な義務づけはないが、土壌汚染対策の効果を検証するため「安全の上に安心を積み上げる」として都が行ってきた。盛り土問題などで豊洲への信頼が揺らぐ中、モニタリング結果に対する業者や消費者の理解がなければ、豊洲の「安心」につながらないとするのは一貫した主張といえる」
これに対しては石原慎太郎氏のコメントを引用したい:
デイリースポーツ 慎太郎氏、小池知事への怒りの大演説「文明国家の恥だ」「非常に不可解」 2017.3.20
「土壌汚染の専門家が豊洲の安全性を指摘していると主張し「日本の土壌汚染の専門家の権威も言っているが、人間の英知の結晶である科学が、風評の前に負けるのは文明国家として恥だ。小池さんはすみやかに決断して移転すべきだ」と訴えた」
「小池氏の移転延期を決めたことに対し「延期を議会にもはからずに発表したのは、議会軽視の最たるものだと私思いますよ。議会にもメンツがある。知事1人で、膨大な予算がともなうことを。かつてピラミッドの頂点にあった人間としては、非常に不可解だ」」
「「これは彼女の不作為の責任が問われる」と断じ、「私は裁可した責任で民事訴訟も起こされているが、荒唐無稽な話で、日本の法治国家で考えられない」」
寧ろ移転できないことで生殺しになっていることも問題とされるべきだ、という指摘もある。なるほど、石原氏が訴追されなければならないなら、小池氏も同様に訴追されるべき、ということになろう(されるべきではないだろう、それは民主主義のコストだ、というのが公式見解と思うが)。
既に14日までに「安心」優先は確認されていたようだ:
産経新聞 「安心のため法令以上の措置」 豊洲市場の安全性…小池氏が都議会自民と論戦 2017.3.14 19:33
14日の議会で「小池氏は「安心のために法令を上回る措置を講じるというのが議会、都庁で決めたことだ」と指摘し、「それを徹底し、信頼を確保しようというのが私の決意だ」と答弁した」
「崎山氏は築地について建物6棟の耐震不足や、大雨時にマンホールから水があふれるなどの老朽化を指摘。売り場が外部から遮断されていない「開放型」の市場でネズミなどが確認されているとし、安全・安心について見解を求めた。
小池氏は「さまざまな課題を抱えているが安全と考えている。長年にわたって勝ち得た築地ブランドという安心もある」と強調した」
…俗な表現では、自民党憎しのあまり、依怙地になっているんじゃないか、というふうにも見える。が、いまさら判断を揺らすと、支持率に影響しそうでもあり、選挙に勝つという点にかけてば、小池氏の判断は合理的ではないか、とも。依怙地になっているだけのあほと思うと、その思いがその人の足をすくうであろうぞ、とは思う。
注意したい点は「長年にわたって勝ち得た築地ブランドという安心もある」と強調した」というところ。つまり、豊洲というブランドを新たに構築していく気はないんだな? いままで誰かが築き上げてきたブランドに乗るだけか? 先人のつくり出したブランドに乗るという決断をするのも、まあしばしば正しいだろうが、今後より厳しい安全安心基準で評価されていくだろうこの流れで(彼女が自分で作り出しつつある価値でもある)、過去の栄光にたよる一方の判断を示すのは、どうも自縄自縛の判断のように思う。
この点は大胆に決断を下した石原慎太郎氏のほうが、進取の気性に優れていると評価せざるを得まい。
そうだ、小池知事が言う「築地はずっと使ってるから安心、豊洲はあれこれ安心できない」というロジック、思考が年老いた人が常に使うロジックだ。旧来のものの問題点を指摘しても「困っていない」と耳を貸さず、新しいものには粗探しをしては針小棒大にあげつらって却下する。
— 大貫剛 (@ohnuki_tsuyoshi) 2017年3月17日
石原慎太郎のようなじじいはムカつくが、「うるさい黙れ安全だ」と責任を引き受ける存在がいないと物事は混乱するし前に進まない。ましてや自分の人気取りや派閥づくりのために混乱を利用するとかそんな者に政治家の資格はない。
— tadataru (@tadataru) 2017年3月19日
「民主主義」を錦の御旗に、「みんなの合意」を錦の御旗にし、それで正統性を確保しつつ、いったい何がなされているのか―ということは考えたい。
なお石原氏の病気については:
石原慎太郎の現状は彼自身がかつて繰り返した差別発言や暴言の数々を免罪しないし、だからといって彼の病気を揶揄してはならない、という話。石原は差別主義者なので嫌いです。昔も今も
— 菊池誠(4/8SilverWings) (@kikumaco) 2017年3月22日
石原氏の病気を揶揄するな、という意見に対して、『石原を批判する奴は病気を揶揄する悪い奴らだっていう印象操作??』とか言ってるバカな奴が居て心底呆れた。 なんなのかね、あの辺の人達は。
— k u r i t a ?? ?? ?? (@kuri_kurita) 2017年3月22日
「経済の政治化、とでも表現できるか」とメモしたが、まあなにやら他に「精神医学の政治化」みたいな風潮も一部に見られ、(「素の差別発言(を意図してないと主張するが、そのように受け取られ得るもの)であった」また「所謂「リベラル」の緩慢な自殺の図(2)」;「所謂「リベラル」の緩慢な自殺の図」)、政治的な反対者・非同調者を狂人なりなんなりとみなして排除する習慣がわりと根付いたのかなあとか、暗く思う昨今。
さすがに首都の出来事は全国民が影響を受けるので最善の選択を求めたいです。リングの外でプロレスを見ている気分の方もいるかもしれませんが、自分の足元もリング上、自分の生活を賭けたプロレスと理解してほしいですね。
— 熊谷俊人(千葉市長) (@kumagai_chiba) 2017年3月21日
福島の放射線騒ぎも、騒いだ人は責任なんて取らないんですから。 https://t.co/x3eBAGmH5H
東日本大震災以降、というか原発事故以降、大手マスコミは「自分たちが考える正義のためなら、大事な情報だって伏せておくし、針小棒大もいとわないし、なんなら事実でなくても構わない」という姿勢を鮮明にしてきた
— 菊池誠(4/8SilverWings) (@kikumaco) 2017年3月20日
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