空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

かなりな悪文で、作文・論文作成の際の教材として有用

2024-02-20 22:23:50 | ノート
 以下のTwitter(現X)記事は大変な悪文で、こんな文章を書いちゃあだめだよという教育に使えそう。



メディアの取材源のみを訴える訴訟は典型的なスラップ類型の訴訟です」これはよい。しかしそのあとは、論点先取の形容句・節を無暗に用いて、論旨を非常にわかりにくくしている。

事実を見抜くプロであるメディアが」というのは、メディアに関する形容として「事実を見抜くプロである」と付して、いったい今回の件について事実を見抜いたのかどうかを曖昧にしている。

メディアが掲載しなければ表面化しなかった事案ですから」というのはよいとして、しかし報道内容が事実であれば「表面化」でよいが、内容が真実・事実であるかどうかは「事実を見抜くプロであるメディア」が報道したこと自体に拠っていることになり、循環論法に陥ってませんかねこれ。

市民だけを提訴する訴訟は取材源とメディアを分断させる戦略が見え隠れし」というのはスラップ訴訟の定番構図であろうと思われ、これ自体は文章としてはいいのだけれど

今後の同種の市民活動を萎縮させる懸念があります

 これが最悪の効果を全文に与えている。ちょっと待て? 単なる刑事犯じゃないのか、強姦というのは? 今後の同種の市民活動」というからには、これは市民活動だという確信を持っているわけだ。どこからどう確信したのだ…?

 …いやまあ、政官財その他、何らかの強者男性に女性を献上するような、そんな風土を打破するのだ!という社会運動・市民運動という理解なんだろう。それは理解する。しかしこれ、そうまでの案件だろうか? という疑念は相応に存する。サッカー選手だよ。そりゃあ強者だが、むしろ彼らのプレイをタネに「ゲーム」をする世界の方が問題になりゃあせんか…そっちに切り込むことはしないんですか…という…。

 …ということで、正当な・素直に理解できる文章を差しはさみながらある種の読みを誘う形容句を組み込む手法の実地の訓練になる。ちょっと記録しようと思う。

 ともあれ本件、ド外道扱いされた選手側がかなーり強力に無実を主張しているようで、その点、犯罪行為があっただろうことが強く推定される案件とはちょっと別に扱うとよいと思う。明々白々たる事例で運動した方が楽ですよ?
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