空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

科学研究失速、との記事

2017-03-23 19:41:56 | 本・論文・研究メモ
朝日新聞 日本の科学研究「この10年で失速」 英ネイチャー特集 香取啓介 2017年3月23日10時07分

日本の科学研究はこの10年で失速しており、科学界のエリートとしての座を追われかねない――。英科学誌「ネイチャー」が日本の科学研究の現状を憂慮する別刷り特集を、23日付で発行する

政府の研究開発への支出が2001年以降停滞しており、その結果、高水準の研究を生みだす能力に衰えが出ている

全体の収録論文の数は05年から15年までに約8割増えているのに対し、日本からの論文は14%増にとどまった。全体に占める割合も7・4%から4・7%に低下している

毎日新聞 日本の科学研究は失速…論文数、5年で8%減少 香取啓介 2017年3月23日 09時25分(最終更新 3月23日 09時25分)

自然科学系の学術誌68誌に掲載された論文の著者を、データベースを使って調べた。その結果、12年から16年の5年間で、中国の論文数が48%、英国が17%伸びた一方、日本は8%減少したことが判明した。米国も6%減った

 10年。半世代分といったところか。この埋め合わせをしようとおもったら、大変ですよね。



 でまあ、心傷ついたひとたちが結構いて、人間関係にそれなりに害が:



 …なのよねえ。

 個々の研究者レベルでは、またさらに別の問題があったり。というのは、一般的に削られたカネのうち、使うことをゆるされたカネは、上のほうでプールされている。学内レベルでいえば、学科長裁量経費とか、なんとか。最上層部だと、科研費だとか、ナントカ教育プロジェクトとか。こういうカネを取れるひとは、相対的に豊かになる。なので、生きていける。

 …それに間に合わない人がどうなるかなーとか、そんな話でもある。

Times Higher Education Asia University Rankings 2017: results announced 16 Mar 2017



 でまあ、この次の世代が頑張れるかどうか。でも彼らの先生たち(まあ、いまの私たちだ)があまり幸せそうに見えないとなったら、そういう状態に自らをわざわざ追い込みにゆくひとがどれほど出ようか、という:



 で。今日も疲弊して行くのである。



 ”私、退学するけど、退学した後でも先生の教科、わかんないとこあったら聞きに来ていいですか”という訴えがあり、教師として誇りに思う(おめえ僕の科目の成績悪かったよなとかも思うが、それでいてなお僕の教えを選ぶというのは、やはり誇りとしていいだろう)。

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