空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

石油を巡る動向と法整備:ソマリア

2007-08-09 01:39:52 | ソマリア関連
 ソマリア議会は今週,石油そのほか炭化水素地下資源に関する法案を議論する。「今日明日にも議論されるでしょう」とソマリアの駐ケニア大使Mohamed Ali Nur氏はいう。これは過去未来の,外国の開発者らとの契約が如何様に実現するか-という問題に関わる。

Reuters Africa Somali parliament debates oil law this week - envoy Wed 8 Aug 2007, 10:13 GMT

「法案は通るとおもいます」とNur氏は続ける。
 詳細は公開されていないものの,国家石油会社を創設,外国資本との契約の法的な位置づけを明確化する目的であると考えられる。

 昔のUSAの情報局の調査では,天然ガスの埋蔵しか確認されていない由。1980年代には,西洋の石油会社が探査の権利を得たものの,この国が混沌の渦(懐かしい名だ)に陥るとみな去っていった―わけではある。

 世界銀行とUNの調査では,他方,ソマリアには相当量の石油埋蔵があると推測される―それにこの地は海に面しており,交通の要衝―どこに行くにも便利なところだ。

 では,その暫定政府の石油会社は,どれほどの実効力を持ちえるだろう? 首都モガディシュでは抵抗勢力の武力闘争が止まず,全土を掌握したとは言い難い。そんな政府の国営会社に,どれほどの力が?

 プントランドは南アフリカOphir社,オーストラリアのRange Resources社と石油資源開発契約を締結した由。他方,モガディシュ政権の会社はインドネシアとクウェートの会社に株式の49%を与えるという(明言された情報ではないにせよ)。
 そして暫定政府のユスフ大統領は,さらに,中国の石油会社とプントランドの石油について契約を結んだ(関連情報:news Somaliland ソマリアの石油と中国の話 2/2 (2007-07-19);空野雑報 中国の石油探査計画について続報:ソマリア)。

 プントランドは,モガディシュ中心のソマリアに統合するための,実質のある動きを見せている(プントランドは憲法改訂に着手する:ソマリア)。一定の独立的地位を確保し,石油開発の権利を保持しておく事を目指すだろうか。
 それはプントランドとしては望ましい方向だろうけれど,ユスフ大統領の動きとどう整合性をとるだろう。

「大統領の公式なサインのある合意など,我々は見てはおりませんが」とNur氏は言う。中国との契約の存在自体をも含めて,改めて位置づけする―ということでしょうか。誰かこの混沌とした状況を整理してくださいお願いします。

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