空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

伝統的過ぎる左翼さんと常不軽菩薩さん の続き

2019-05-02 20:14:53 | Weblog
 さっきのメモだけだと、単に伝統的過ぎる、アップデートのない左翼さんを(自粛)扱いするだけのひとが喜ぶだけかもしれず、また、常不軽菩薩気取りの(自粛)とか常不軽菩薩を罵るだけで終わるだけとかでは不健康なので、ちょっと講義の枕に使えるような話も書いておくのだ(アライさん)。




 一連のツィートを見て学ぶべきなのだけど―中国で、外国のサイトにアクセスするためのプログラムを配布したり、「見てね星」とメッセージを送ったりして、そうした被験者達の行動がどうなるかをチェックする―、ポイントは「検閲下にある人は海外ニュースをそもそも重要だと考えないし “知りたいとも思わない”と言える」なのだ。

 現状に満足した精神は、現状がどれほど抑圧的なものか、不平等なものか、そもそも認識することができないのだ。それゆえ、そこらのネットフェミとかが、「現状で、まあ男女平等とか、進んでるんじゃね?」とかいう女性に「この名誉男性め!」というのは、”実は現状は大変に女性に対して抑圧的なのであって、これをまあまあと、多少なりとよいように評価するのは、男性優位社会に馴らされすぎた家畜としての精神に他ならない!””そのような男性的精神に寄り添うことによって評価をうける、それはかつて南アであったような「名誉白人」のごときもので、それが有色人種の解放に原理的に寄与しないのと同様、「名誉男性」は女性解放に寄与しない、いや、女性の圧迫をさらに強化するものなのだ!”というわけなのだ(アライさん)。

 そんなわけで、女性が知るべき貴重な情報を持っている者、さしあたり私こそが価値あるものなのだ、というわけなのだろうが―。

 ―幸か不幸か、現在の若手世代では、(体のいい会社の)正社員夫婦の場合は、女性(~妻)の権利を重視した結果、むしろ高級な存在としての女性様という存在に至りかねない点があり―

 ―つまり、妻(=女性)が産休で休むと言う場合、会社としてはクビにできないし、退職を勧めることもできない。しかし実際のところ、「働かずに給料を貰う」存在は、まあ、不経済ではある。そこで可能な限りそうした不経済状態をリカバリするため、そのダンナ(=男性社員)に「おお君ィ、この人手不足の折、残業代も、ねえ、君ィ、なかなかねぇ?」と「完全に自発的なサービス残業」を求めてアイヤ自発的に働く労働者が勝手に働いていたりとか、「ねえ君ィ、○○支社で人がたりないのだそうだがねぇ?」と、「真に自発的な単身赴任の希望」を出させてみたりとか―

 ―さらには非正規社員にしわ寄せがいったり、男女だけで区切るわけにはいかず、正規非正規または高給社員と低給社員とという区分で分析を細かにする必要がありそうな昨今であって。

 死ぬほど旧来の、3秒でコピペできそうなフェミ理論はその現実への適合性を問われているのではないかな、と。

 さて面白い落ちだが



 さあ、ここで問題になる。
 ここ最近、ファーウェイからカネを貰ったかどうか、共同研究をしてるかどうかで問題になることがあるが、じゃあこの研究はどういう扱いになるだろう。
 中国共産党の検閲の実態を明らかにするという意味では、その実像に応じた批判をするためにもするべき研究ということになりそうだが、しかしこの研究の結果として、中国共産党は自分たちの検閲政策が極めて効果的であると確信し、さらに有効にするにはどうしようかという知見を得ることができる。抑圧体制の強化にもつながるのだ(アライさん)。

 さあ、どうしよう。

関連:「「男社会の底辺」たる弱者男性は二重の排除におかれている(2018-10-13)」

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