空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

ガンビア,イランと断交

2010-11-25 13:00:00 | Newsメモ
 48時間以内の要員退去を要求:
BBC Gambia cuts ties with Iran and orders diplomats to go 23 November 2010
読売新聞 西アフリカのガンビア、イランとの断交を発表 2010年11月23日18時08分

 同時に,イランの協力によるガンビア国内の計画一切の停止も。重機や商用車両の製造を意図したりしていた模様,これを停止するというのは大ごとである。イランとしては米国の圧力を言い立てるが(Senior Iranian official Alaeddin Borujerdiによる),発展途上国として是非とも自力で作りたいだろうそうした機材を切り捨ててさえ断交するのは,やはり大ごとである。

 ガンビアは理由は明示しないものの,先月,ナイジェリアがLagosでイランからガンビアに向けての違法な武器密輸を摘発したことが背景にある模様。ロケットランチャ・グレネードが「建築資材」と銘打ったコンテナにはいっていたとのこと。

 Borujerdi氏(イラン議会・国家治安・外務委員会議長)は,イランの私企業が「国際法に合致する」仕方でガンビア向けて武器を輸出したことを認める。イランは,このガンビアの断交を衝撃をもっては受け取らない―また軽視する方向の模様だが,しかしガンビアはイランの(数少ない)友好国であった由。なぜにこのタイミングで余計な事をしたかは謎。

 なにしろ,イランへの制裁の話題が国連のテーブルに乗るようになって以来,イランは大統領・防衛相とも諸国の支持を取り付けようと努力し続けてきたところ。国連では一国一票。ガンビアも貴重な一票を持っている。

 この一票の支持とはかりにかけて,それでも輸出したいほどの意味が,はたしてこの輸出事件にあったものかどうか。

BBC Nigeria reports seized Iranian arms shipment to UN 16 November 2010

 モッタキ外相としては,私企業がNigeria経由で西アフリカのとある国に「通常の防衛兵器conventional defence weapons」を売却しただけだとするようですが―「建築資材」に偽装というのは拙いでしょう。

BBC Nigeria's secret police intercept weapons shipment 27 October 2010

「(資材としての)タイルの下に隠してありました」とか,もうね。
 タリバンが使ったNorinkoロケットなんぞも入っていたとのこと。

 Niger Deltaの反乱勢力さえ使ったことのないような重火器がコンテナ13個(のなかのいくつか,ではあれ)に入っていました―。こんな事件にNigeriaとしては,それこそ激怒する以外にあるまい。一応,最終的行き先はGambiaだと言われても(最終的にはそれで間違いがなく,それ故にGambiaが断交まで話を進めたわけだが),「建築資材」と偽装されていたんだ,届け先が偽装でないと(Niger Deltaの反乱勢力とかradical Islamistsとかでないと)どうして言えよう。

BBC Nigeria to question Iranian over arms seized in Lagos 12 November 2010

 Nigeriaはその「私企業従業員」に事情を聞いた模様。「」付きなのは多少の理由あり("Nigeria also wants to question another Iranian inside the embassy but has been unable to do so as he has diplomatic immunity",BBCによる)。イランとしては調査に協力する,と言ったわけだが―こうした調停のチャンスを,イランは逃してしまった結果となるか。
 イランはどうしたいんでしょうね。

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