”あるいは、上空で爆発したなら”？

BBC North Korea: Trump and Kim call each other mad 22 Sep 2017

　”トランプ節”がなりを潜めたのはほんの数日、この期に及んで煽り立てるだけとなると、まあ救いがたい。どっちが、というよりどっちも。そしてもし「暴言」の罪を相殺してみるなら、当然北朝鮮こそが折れるべき点を多く持つ―この点、北朝鮮のほうが暴言の歴史は長かろうし。それでなお、米国だけに”大人のご配慮”を求めるなら、それは米国に対する甘えにほかならない。

　…まあ、トランプ氏も相当にどうかとは思われるが。だからといって、北朝鮮が自己の存亡の鍵を核兵器に求め（ることは、思想の自由だろうけど）、さらには開発を続けていいということにはならない。

　また、トランプが大統領であるか否かにかかわらず、北朝鮮は核開発を続けてきたのであり、この点、トランプ氏に責任を負わせることはできない。むしろ歴代政権の過失を正す、その点で責任ある行動とさえ言い得る。金氏については、その責任ある行動とは、”事実上の核武装国”で留まること―というのがぎりぎりの線であろうところ、ことさら煽るのは、やはり無責任の謗りを免れない、と思うが。

「The risks are immense. Civil aviators and mariners in the target area may perish, given that North Korea does not offer international warning of its missile launch plans - unlike other states that routinely test ballistic missiles」

　この点も、どうしても北朝鮮に不利なところ。

「The environmental damage and fallout could be catastrophic. Moreover, should the missile fail over Japan - or prematurely detonate - the consequences would effectively guarantee a nuclear war in retaliation」

　上空でやられたら…。それでもなお、”平和主義者”は、「我が国を狙ったものではないのだ、従って敵対ではない、如何なる報復も避けよ」と主張するだろうか。いや主張するツールが停止しているかもしれないが。

「He ended by saying he would "surely and definitely tame the mentally deranged US dotard with fire"」

　…いやアンタ、国連会議の席でいわなきゃいいですぅというわけでもないだろう…。

「Experts say this is the first time a North Korean leader has made a direct address to an international audience」

　そんなレアイベントを、いつもどおりの罵倒で使っちゃって、ちょっと残念かも。

日経新聞 金正恩氏の21日の声明全文 2017/9/22 17:06

BBC North Korea: Trump and Kim call each other mad 21 Sep 2017

NHK 北朝鮮外相「おそらく太平洋上で水爆実験」 20179月22日 10時00分

「国連総会に出席するためニューヨークを訪れているリ・ヨンホ外相は２１日「対応措置とは何を意味するのか」という記者団の問いかけに対し「どのような措置が取られるかはよくわからないが、私の考えではおそらく水爆の実験を太平洋上で行うことになるのではないかと思う」と述べ、トランプ政権を強く威嚇しました」

　…うんまあ、直接にはトランプ政権への威嚇なのだろうけど、大気圏内水爆実験は、核アレルギーの日本人的にはレッドラインの向こうなのでは。自分のとこでやれ、とふと思いたくなるが―ああ、それ、日本向けの嫌がらせとしては極めてよく機能するな、これ。日本海および日本海側諸県へ重大な汚染をふりまくから…。

　…いままでは地下核実験で、一応、スルー可能なものでは仮にも、あったわけだろう。
　今度は「実験を太平洋上で」とあり、つまり弾頭にのせて飛ばしてみる、という示唆でしょう。

　…そりゃまあ、一回はやらないと商品にならんだろうし。いつかはやるんだろうけど。なんというか、いろいろマズイ。