昔あるマウンテンバイクレジェンドと一緒にライドしていたときのこと、

 「ジョー・マレー(レジェンドプロライダー)がさ、登りでタイヤがスリップし始めたらさ、バイクをちょっと横に倒し気味にしてサイドノブを地面に引っ掛けるようにすると登れるんだ、って言うんだよ」と細くて急なシングルトラックを登ってるときに呟いた。

 「へえー」と思って真似をしてみたけどなんとなくわかったようなわからないような気分で、当時の僕のライドスキルではその加減がわからなかった。

 バイクが、パーツが、タイヤが進化して以前よりもパフォーマンスが向上。昔と比べたらタイヤの進化も凄まじい。

 ご存じのようにマウンテンバイクのタイヤにはセンターノブとサイドノブがきっちりと別れているモデルが多い。

 センターはトラクションや方向性、サイドはコーナーや複雑な地形でのグリップ感。

 バイクをちゃんと乗りこなしているライダーのタイヤをチェックするとセンターとサイドノブの減り具合やヘタレ方に共通点があります。

 センターのノブは角が落ちて、サイドノブは外方向に伸びてる、または千切れそうになっている。それだけタイヤをちゃんと使ってライドしてるんだなってわかります。

 逆にそういうヘタレ方をしていないのならサイドノブも意識的に使うイメージのライドをしてみてください。

 ヘタレたタイヤはパフォーマンスを極端に低下させるので、あれ、なんか今日はコーナーがいつもより決まらない、滑りやすいとか感じたらタイヤがヘタっているかも。

 なににせよ、タイヤはほんとに重要なパーツです。