磐田市見附に鎮座される「式内社・矢奈比賣(やなひめ)神社」
御祭神は、安産・子宝・子育て・縁結びの御神徳持つとされる『矢奈比賣大神』。相殿に『菅原大神』を祀り、通称「見付天神」とも称されます。
「あと押し坂」と名づけられた些か勾配のきつい坂道には一の鳥居、その先に朱塗りの第二鳥居。
参道脇の境内社「山神社」には、『大山祇神・高龗神(たかおかみのかみ)・軻遇突知神(かぐつちのかみ)』。 ここは裸祭りの神輿が町を練り歩いた後、祭りをお開きにする為の禊を受ける大切な場所。
濃い影を落とす緑の参道の向こうには鮮やかな朱の鳥居と、「見付天神」の鳥居額。
由緒に【矢奈比売天神社の創立年月は、詳(つまび)らかではありませんが、延喜式内社に列しており、古くは市内元天神の地に祀られておりました。いつの時代にか現在地に奉遷されましたが、その年月は詳らかではありません。~中略~相殿菅原大神は一条天皇正暦四年(993)に勧請奉祀されております。】
入母屋造の拝殿、その扁額にも、二の鳥居と同じく「見付天神」の書。
拝殿前には一対の「願掛け牛」、体に触れながら願いをするのですが・・この牛「雌」ですって。 と言うことは、もう一方は「雄」・・・阿吽はよく見聞きしますが「雄・雌」の神牛さんと言うのは初耳 (^^;)(^^;)
流造の本殿は、前からでは屋根だけですが、後ろからはその綺麗なお姿が良く見えます。
前後しますが、二の鳥居の脇には忠犬として有名な「悉平(しっぺい)太郎像」。
『悉平太郎』の姿をもう少し鮮明に写したいのですが、逆光でどうしても黒くなってしまいます。 実際の色はこんな風に赤茶けたものではなく青銅色ですが、雰囲気はばっちり(笑)
伝説の内容は「悉平太郎伝説の紹介」に詳しく紹介されているので、そちらをご覧下さい。
「悉平太郎像」の前には、「国指定重要無形民俗文化財 見付天神裸祭」の碑。
祭りは毎年9月頃、当神社の御神霊が遠江国魂総社・淡海国玉神社へ渡御する際に行なわれます。 御神霊の渡御に先立ち、裸の群衆が見附地区内を練り歩き、神社拝殿で乱舞する事からこの名がつけられました。
一説には、魔物退治に喜んだ村人が裸で踊り出した事が、裸祭の始まりだとも云われています。
明日は順番を変えて、「矢奈比賣神社」の奥に祀られる「霊犬神社」の紹介です。
参拝日:2016年12月15日