車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

霊犬(れいけん)神社 in 静岡県磐田市

2019年03月24日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・静岡県

矢奈比賣神社の社務所から裏手に回り、裏参道の鳥居から境内を出た先に広がる「つつじ公園」。

その突き当たりに近い、磐田市見付に鎮座される「霊犬神社」。御祭神は『霊犬・悉平太郎』

社殿はこじんまりとしていますが清掃が行き届き、地元の方々に大切に守られている事が伺えます。

【昔、見付村では田畑を荒らされないように毎年祭の日に白羽の矢が立てられた家の娘を生贄(人身御供)として怪物に捧げていた。旅の僧が怪物の正体を暴こうと、祭の夜に様子を窺うと、「信州の悉平太郎(早太郎)はおるまいな?」と悉平太郎という人物を恐れている様子。さっそく、信州の悉平太郎を探したところ、光前寺に飼われている犬であった。
次の祭の日、悉平太郎を借り受けて娘の身代わりとすると悉平太郎は怪物:大狒狒(ひひ)と一晩中戦い続け、ついにこれを退治。悉平太郎は傷つきながらも光前寺までたどり着き、一声吠えて息絶えたとも、当社境内で死んだとも言われている。】
霊験伝説より

霊犬伝説に関してはいくつかの伝説を読みましたが、実はどれを読んでも非常に気持ちに棘が残る箇所があります。
【魔物を退治した悉平太郎、その傷ついた体で信州の光前寺までたどり着き、一声吠えて息絶えた・・】
死闘を繰り広げたんですよ、この見付の村人のために!。信州までどれだけの距離が有るか分かっているんですか!!何故手厚く手当てしなかったんでしょう。 魔物が退治されて喜ぶ前に、傷の手当をしてから丁重に送り届けるのが、恩人(犬)への最低限の礼儀じゃないですか(>_< )!!

と・・伝説に噛み付いても仕方ないですが(^^;)、光前寺の境内には「悉平太郎」のお墓があります。 偶然ですが、この物語を知る二年半前に、長野の光前寺で「早太郎(悉平太郎)」の事を知りました。
そこは、息をするだけで浄化されそうな深い緑の境内・・その涼やかさを思い出すとき「きっと早太郎はこの地で逝きたかったんだ・・ 自分の命運が尽きる前に、懐かしい故郷で、大好きな和尚さんに最期の別れを告げたかったんだ・・」と思い至るのです。

完全「猫派」の私ですが、決して犬が嫌いなわけではなく、単に苦手というだけの事。 たんなる伝説かもしれない「悉平太郎」の物語に、ついつい感情移入してしまいました(^^;)
磐田市のマンホールカードにもなった『しっぺい』は、『悉平太郎』をモデルに生まれたキャラ。 境内には凛々しい「悉平太郎像」と共に、心眼成就の提灯を掲げる『しっぺい』の絵馬もあります。

さらに「裸祭」の顔出しにも登場した『しっぺい』の提灯は、「祭組」を表す大事なアイテム。 祭の正装は「晒布の腹巻と褌(ふんどし)」「腰蓑」、頭には祭組の「印手拭の鉢巻」。さっそうと繰り出す男衆の中に白い耳が見えたなら、それはきっと『しっぺい』君。

参拝日:2016年12月15日

 

コメント
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