森町一宮に鎮座される「小国(おくに)神社」。式内社で、遠江国一宮。
願い事が意のままに叶う神社「事任神社(ことのままのかみやしろ)」として広く知られます。
社名の「小国」は、出雲の「大国」に対する遠江の美称とされ、紅葉の名所としても有名。 御祭神は『大己貴(おおなむち)命』で、国津神の最高神とされる『大国主命』と同一神です。
【創祀は神代と伝へられ上代のことは詳でないが、社記によれば人皇第二十九代欽明天皇の御代十六年(557)2月18日、本宮山に御神霊が出現せられ奇瑞あり天聴に達し、勅使を差遣せられ社殿を造営し正一位の神階を授けらる。第六十代醍醐天皇の延喜七年(907)に勅して、社殿を改造せられ延喜式内社に列す。】由緒より
二の鳥居から真っ直ぐ、参道正面に建つ木造大社造桧皮葺の拝殿は、明治19年(1886)の造営。 清流宮川のほとり、本宮山の山麓に抱かれるように、美しい姿で参拝者たちを出迎えてくれます。
残念ながら大社造の御本殿を垣間見る場所は無く、拝殿の後方にわずかに屋根が見えるのみ。
拝殿右手前には、2003年に『秋篠宮両殿下・妃殿下』が御参拝された事を記念した碑が建立されています。 「お遊びのみ皆勤」できる便利な体調の波を持つ誰かと違い、心から御尊敬申し上げます。
拝殿右には、明治19年(1886)に造営された、桧皮葺・木造入母屋向拝付の「幣殿」。
桧皮葺・木造入母屋造の「舞殿(ぶでん)」では、「田遊神事」「十二段舞楽」が舞われます。 二つの神事は昭和35年に県無形文化財に、2007年には国重要無形民俗文化財に指定されました。
杉の巨木に見守られるように続く参道は、ただよう空気までもが深い静寂の色。「小国神社」の境内には、まだ多くの素晴らしい建物や見どころが有りますが、それはまた明日。
参拝日:2011年11月16日&2016年12月14日