昨日紹介した秋田商会のビルに隣接する、煉瓦造2階建て洋風建築「下関市南部町(なべ)町郵便局」。設計は領事館をはじめとする多くの官庁建築の設計に携わった『三橋四郎』が担当し明治33年(1900)に竣工。現役の郵便局舎としては国内最古のものであり、2001年に国登録有形文化財建造物に指定されました。
元々は赤間関郵便電信局として建築されたもので、昭和50年(1975)、下関東郵便局の移転に伴い、同じ建物を使用して新たに当局が設置。
玄関前の赤い丸ポスト。考案したのは赤間関郵便局の郵便業用具の制作、改良に取り組んでいた下関の発明家『俵屋高七』。明治37年(1904) には自動郵便切手葉書売下機の発明もされています。何が驚いたって、既に明治21年(1888) に木製のたばこ自動販売機を発明していた事。いやもう、ただ尊敬します。
2012年の訪問時、この時と変わっていない景色が尚更に懐かしさを呼び起こしてくれます。
場所は離れますが、郵便と無縁でないという事で、下関庁舎の向かいの一隅に建てられている「下関電信局(電報)発祥の地」碑。題字は「電報中継機械化完成」、 説明版には「 昭和41年(1966)に、 日本電信電話公社下関電報局で 電報の中継業務の機械化が行われたことにより、 国内全ての機械化が達成したことを記念して建てられた」と記されています。
下関市観音崎町に建つ「山口銀行旧本店」。建築家『長野宇平治』の設計監督により大正9年(1920)に三井銀行下関支店として建設。昭和8年(1933)に前身である百十銀行の本店となり、山口銀行の創立から昭和40年(1956)の新本店新築まで、本店として使用されました。
外壁主要部は徳山産花崗岩を使用。正面玄関脇には渦巻状のイオニア式とアカンサスの葉飾りのコリント式を組み合わせたコンポジット式の柱頭をもつ付け柱。大正時代の建築様式の特徴を色濃く残し、また、当時の銀行の様子を伝える貴重な文化財として、2005年10月に棟札とともに山口県指定有形文化財に指定。2004年3月から1年かけて建物の復原及び耐震補強工事を行い「やまぎん史料館」としてオープンしました。
訪問日:2012年11月15日&2017年12月3日