愛知県蟹江町城4丁目、蟹江川沿いに本社を置く「甘強(かんきょう)酒造株式会社」。創業は文久2年(1862)、みりんや日本酒、焼酎の製造・販売を行う酒造会社です。
「初代『山田平八』が濃尾平野で収穫される豊富なもち米を原料とし、縦横にはしるクリークによる便利な舟運を利用してみりんの製造を始めたのが最初です。昭和29年(1954)には、清酒四天王の醸造を開始。現在でも、地元濃尾平野や国内産のお米を原料に、本物と呼ばれるみりんや日本酒を醸造しております。」公式HPより
屋号である甘強みりんに名称変更したのは、昭和10年(1935)。甘みや旨みの強い本物のみりんを造り続けるという想いから「甘強みりん」と命名されました。
道路側向かって右に昭和13年(1938)建設の、スクラッチタイル貼りの「事務所」。愛知県西部に残る数少ないRC造の建物です。堤防敷き(いわゆる土手)の斜面に建っており、住宅側から見ると3階建てで地下部分は倉庫。1階は事務所、2階は会議室と和室で、渡り廊下で住宅の2階につながっています。
住宅母屋は大正11年(1922)ごろに柱などの構造材、材料を蟹江川から運びこみ、数年かかって建設されたものです。突き当りの建物は明治38年(1905)ごろ新築された土蔵造の「味醂蔵」。右に工場の建物が見えます。
明治から昭和初期に建てられた同社の建物のうち、2005年に登録有形文化財に登録された「旧本社事務所・工場・住宅主屋・住宅土蔵」。生憎とこの事実を知ったのは車泊旅から帰宅して調べた結果。知っていれば車をどこかに置いて、もう少し丁寧に画像に残したのに・・。
訪問日:2017年3月27日
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一言メモ
登録有形文化財とは・・ 貴重な建造物をより多く残すための制度。建築後50年を経過したもので1. 国の歴史的景観に寄与している。 2. 造形の規範となっている。 3. 再現することが容易でない 。この3つの基準を満たす建造物を国が指定するものを指す。
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