大町市大町に鎮座される「若一王子(にゃくいちおうじ)神社」。御祭神は『若一王子 (熊野那智大社第五殿に祀られる神)・伊弉冉尊・仁品王(にしなおう)・妹耶姫(いもやひめ)』
「垂仁天皇の御代に仁品王が社を建て伊弉冉尊を奉祀したのに始まり、後にこの地方の人等により創始の神として、仁品王とその后妹耶姫が合祀された。鎌倉時代、安曇郡一帯を治める国人領主の仁科盛遠が熊野権現に詣で第五殿に祀る「若一王子」を勧請してより、若一王子の宮と称された。現在の本殿は戦国末期の弘治二年(1556)に仁科盛康によって造営され、更に江戸初期の承応三年(1654)社殿の大修造がなされた。当初若一王子権現と称したが、維新の際現社号に改められ、昭和6年に県社に昇格、昭和51年には別表神社(旧官国幣社格)に加列され、神仏習合の姿をそのままに残した仁科の里の大社として歴史と伝統を今に伝えている。」公式HPより
御本殿は弘治二年(1556)に仁科盛康により造営。四隅に柱を立てた一間社:隅木入春日造りで、国重要文化財に指定されています。
本殿正面の鬼。こうした形式にはあまりお目にかかった事がありません。
拝殿は、昭和48年の伊勢神宮第60回式年遷宮による内宮外玉垣南御門他の神宮社殿の譲与を受け旧拝殿を幣殿となし、その前に新設されたもので、昭和50年の建立。
本殿東の観音堂(大町市指定有形文化財)は、拝殿と廊下でつながれている茅葺の建物で宝永三年(1706)に建立。本尊は若一王子の本地仏とされた『十一面観音』。
仁科三十三番札所巡りの第一番札所。昔から「火不見(ひみず)の観音様」といわれ、火災除けの霊験あらたかと伝えられています。
三重塔(長野県宝)は三間三層の柿(こけら)葺。宝永八年(1711)に木食故信法阿の勧進によって建立されたもので、江戸時代の建物としてはよく均斉がとれ、蟇股の人身獣面の十二支の彫刻は有名にして他に類を見ません。
朱塗りの両部鳥居の内より神域を守護されるのは、昭和十年七月建立の岡崎型の狛犬さん一対。
「境内社:八坂神社」。御祭神は『素戔嗚尊』
絵馬は「八岐大蛇を退治する素戔嗚尊」の鏝絵。明治二十七甲午年の奉納です。
日本アルプスを背景に朱塗りの鳥居と社殿
満開の桜の参道
一の鳥居
参拝日:2016年4月18日
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