昨日、NHKテレビで、黒澤明監督の名作「生きる」が放映されていた。この映画、「お役所仕事」を痛烈に批判した社会派の映画だと私は考えている。私は封切り後映画館で観て、通夜の宴席での役人達の長い会話に魅了された。黒澤明の凄さに魅了された。
この映画は知られているように、「ミイラ」とのあだ名のある定年前の市民課長が癌に罹患し、余命わずかと知り、市民から出された要望である公園建設に尽力する話である。雪の夜にその完成した公園のブランコに乗って、「命短し、恋せよ乙女」を歌いながら死んでいくシーンは圧巻であり、心を撃つ。まさに、名場面。
この「生きる」は、去年舞台化され、私も観た。しかし、癌に冒され余命短い主人公の「公園作り」に奔走することにストーリーが絞られており、少しだけ魅力が半減した。
ともあれ、1952年に完成したこの「生きる」し、もう既に70年余の年月が経っているが、ちっとも色あせていない。ホント、重ねて書くが黒澤明はスゴイ。まさに、名作だ。
にしても、私は少しは市民のための仕事をしてきただろうか、振り返ると忸怩たる思い。