『家族喰い』、辛くて耐えきれず何度読むのを止めようかと思ったことか
小野一光著『家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』(太田出版刊)を読んだ。途中辛くて、何度も投げだそうかと思った。読む私ですらそうなのだから、突然その渦中に巻き込まれた方々の苦痛はいかばかりだっただろう。
家屋敷や財産そして退職金まで取られ、親が子を子が親を罵り殴り蹴るように仕向けられ、離婚も親子の断絶にも追い込まれ、果ては死んでいった方々もいる。どうしてこうしたことが白昼堂々と行われたのか、とても信じられない。
そしてまた、「本人たち、友人、親族などが30回以上警察に助けを求めた」が、警察は「民事不介入」ということで動かなかったという。その警察は中心人物である角田美代子が自殺するのを防げなかった。これで真実は藪の中となった。
「事実は小説よりも奇なり」、まさに現実にこの日本で起こった事件。それが「尼崎連続殺人事件」。そして、それは人間が起こした事件。切ない。
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