地底人の独り言

いつまでもみずみずしい感性を持ち続けて生きたいと願いつつ、日々の思いや暮らしを綴っていきます

リビング・ウェッジ条例

2008年04月07日 | Weblog
「官から民へ」と「リビング・ウェッジ条例」

 今日放映されたNHKテレビ・クローズアップ現代「官から民へ コスト削減の裏で」は、実に示唆に富んだ番組であった。私が疑問に思っていたテーマを取りあげてくれていた。自治体財政の深刻化の下で、今日の時代「官から民へ」は、当然の流れとされている。しかし私自身、自治体行政に身を置いた者として、官の果たす役割の大きさを確信しており、かつ「官=悪、民=善」の図式化が一般化しているが、必ずしもそう言いきれるのか、実に疑問だと思っている。と同時に、非正規労働者の割合が3割を超えている今日、働く人たちの条件を切り下げることで、今日の減量化、民営化が成立しているのではと気になっていた。
 これは聞いた話だが、自治体関連の施設の清掃業務は、それまでA社が受託していたものが、入札によりB社が受託することとなった。するとB社はA社から人材派遣を受けて、契約を履行している。そのことにより、その業務は、それまでと同様にA社の職員が清掃をしているが、実質は異なっている。問題なのは、それまでA社が引き受けていた金額よりも低い額でB社が落札したことは明白であり、その一方でB社は一人の職員も採用しないで、その契約業務を遂行している。その犠牲・しわ寄せはどこに来ているのか、最も弱い職員(当然だが、正規雇用職員ではない)にしわ寄せがきているのではという心配だ。
 そうした中で先の番組では、ベーブルースの出身地であるアメリカ・ボルティモア市などで条例化されている「リビング・ウェッジ条例」が紹介されている。この条例化の趣旨は、「市民のために働いている人は貧しくあってはならない」ということで、「公的な機関から仕事を請け負う企業が、条例で定めた賃金を下回らない賃金で労働者を雇用しなければならない」という制度を定めているそうである。
 こうした制度は、公務で働く者のみではなく、民間企業で働く者の雇用に当たっても、その趣旨が反映される必要があると思う。全ての働く人たちが、安心して働ける雇用保障は、今日何より必要だと思う。企業栄えて、人が滅んではならない。
 そんな今日の朝日新聞社説は、「『憲法25条』を再定義しよう」として、「健康で文化的な生活を営む権利を有する」とした「憲法第25条」を取りあげている。もっともっと「健康で文化的な生活を」との声を大きく広げたいものだ。

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