先ほどの無症候性高尿酸血症の記事、気になるのでもう少し調べて見ました。
(むずかしいお話になりますけど)
血液での尿酸の溶解度という事を考えると、正常な男性の血清尿酸値だと、飽和濃度の80%程度、高尿酸血症の定義の7.0mg/dlだとほぼ飽和の状態で尿酸は体内に存在する事になるそうです。
ある核酸関連物質の抗酸化能を調べた報告では、血清に含まれている物質の中で、尿酸が一番の抗酸化作用があるとの事。つまり、ヒトの身体の抗酸化という事では、目一杯尿酸が働いている事になります。
一方、プリン体の代謝経路を考えると、一連の分解が進み、ヒトでは尿酸が最終産物となり、2/3が尿中へ、1/3が糞便中に排泄するそうです。しかしこの最終産物には種差があって、同じ哺乳類でも多くの哺乳類でさらに酵素により分解され、両生類・魚類ではさらに分解が進むそうです。
なぜヒトは尿酸で分解が止まってしまうのか?
ヒトの進化の過程で尿酸分解酵素を欠損してきた背景(尿酸が最終産物である)には何らかの理由があるはず。ヒトの体内には尿酸を保持する仕組みが存在する。
血清の尿酸濃度が低いために生じる病態として、パーキンソン病やアルツハイマー病との関連が報告されていて、尿酸のもつ神経保護作用が関与しているの考えられているという事を考えると、その理由が少し(ヒトに都合のよい)説明が出来るような気がします。
せっかく神様が与えてくれた(かも知れない)種の違いによる尿酸分解酵素の欠損。なのに夜々、このような事をしていては、本当にバチがあたるかも。
他の生活習慣病がなくて、痛風発作もない高値安定の尿酸値が望ましい。
かな?と思ったところに、高尿酸血症は腎不全のリスクファクターだよと別の雑誌での報告。どーすれば?まあ、結局「アルコール控え目に」につきます。という私の結論でした。