オバマの時ほどアメリカ大統領選に注目していなかったのだが、スーパーチューズデイを制したトランプ旋風を見せつけられると無視できない状況になってきた。日本でもかつて小泉旋風というエポックメイキングがあったが、今回のトランプ旋風はそれ以上にインパクトがある。
トランプの過激な言動は、日本でいえば泡まつ候補のそれと同じで、とても大政党の候補の発言とは思えない。まあ、石原慎太郎が近いと言えばいえなくもないが、おバカ加減ではあきらかに慎太郎以上だろう。アメリカらしいといえばアメリカらしいが、あまりにも無責任で稚拙な言動がアメリカ国民ですら眉をしかめるほどだ。にもかかわらず、いまや共和党の大統領候補として指名されるのは間違いないのだから、何かがアメリカで起きていると勘ぐらざるを得ない。
おそらくアメリカ国民の多くは、最後は民主党のクリントンが勝って、トランプは大統領になれないと高をくくっているのだろうが、このままトランプ旋風が秋まで続けば、そんな陳腐な良識は吹っ飛ぶことも十分考えられる。それにクリントンで果たしていいのかという国民も多いだろうから、トランプを蹴散らす勢いがあるとも思えない。
もしトランプが大統領になって、あのおバカな言動そのままの権力を発揮したら一体どんな状況が生まれるのか。
とりわけ日本への影響は想像もつかない。安保や貿易で日本を敵視する発言が問題視されているが、怖いのは日本のバカな政治家が手のひらを返したようにトランプのご機嫌取りに走ることだ。政治家という生き物はとにかく勝ち馬に乗りたがるもので、安倍おバカ政権なら首相を含めそんな輩がわんさか出てくるのは容易に想像がつく。安倍トランプ会談が行われ、安倍は「トランプ大統領は両国の立場に理解を示し、より強固な協力関係を築き日米の平和を維持することで一致した」と、憲法改正による軍備増強と日米軍事協力に走るだろう。
怖いもの見たさもないわけではないが、考えるだけでぞっとする。