小沢側近の松木農水政務官が辞任を表明したことが波紋を呼んでいる。党内では予算を成立させなければならない時期に一体何を考えているのかという批判と、菅ではもうダメという意志表示だと同情する声が交錯し、マスコミの反応も同様だ。
マスコミは後に続く動きはないだろうと読んでいるが、果たしてどうか。先に離脱を表明した16人に対してもそうだが、何故、離党しないのかという声が上がっているが、その見方は自民党を尺度にしたもので、民主党にはあてはまらないということだろう。民主党は寄り合い所帯といわれ、当初から意見の食い違いは指摘されていた。しかし、それは自民党とて同じで、意見の違いなど議論と調整で最後はまとまるものだ。民主党はその議論と調整が機能していないのだ。だから、「悪いのは党ではなく菅だ、岡田だ」という国民にはわかりずらい執行部批判が公然と飛び出すのだ。そのあたりは批判されて当然ではある。
とはいえ菅を擁護する気にならない議員の気持ちは理解できる。マニフェストの見直しというより、今や路線変更と言った方が正しいだろう。党にとっては根幹を揺るがす大問題であるにもかかわらず、菅内閣の独断専行で進んでいる。つまり、党内の意見調整がないのだ。もし、挙党一致を真剣に模索したなら、分裂の要因になった今日の小沢問題すら、違う展開になっていたし、少なくとも処分の対象にならなかったはずだ。
結局は小沢を良しとしない、執行部がマスコミに翻弄され、党としてどう対処するか考えなかったため、マスコミのエセ世論にリードされたた結果が今の民主党だ。
少なくとも小沢と真剣に議論し、党として小沢が潔白かどうか、というより犯罪者にすべきかどうかを党として判断し、行動すべきだったのだ。もし、党として小沢が有罪になる可能性が低いという判断ができれば、徹底して小沢を守ることが党を守ることであったはずだ。もちろん、逆もありで有罪になる可能性があると判断した場合は、最初から離党を促すべきだった。それをマスコミや野党の声に翻弄されて、国会で説明すべきと無責任に体裁を整えることばかりに走り、何が問題なのかという肝心の部分を党として議論しなかった。
党内には法律の専門家も多数いるわけで、党内で小沢の事情聴取を行えば、判断できたはずだ。実際、小沢が無罪になる可能性はかなり高いわけで、党が最初から小沢問題の方針を固めていれば、少なくとも小沢問題が支持率低下の原因にはならなかった。
話を戻す。今、小沢派議員が菅を批判するのは、小沢問題もさることながら、独断専行の路線変更に対する危機感である。松木議員が小沢の処分に憤懣やるかたないのは当然だろうが、それが辞任の一番の理由ではないのは理解できる。菅はもうダメ、早く辞めさせろということなのだ。つまり、民主党はまったく開かれた党ではなかったということだ。
なんだかとりとめのない話になってしまったが、結論はひとつ。こんなことをやってる民主党も菅政権も救いようがない。