そもそもラグビーは昔から集客力のあるスポーツだった。早明戦しかりだが、首都圏で行われるリーグ戦や対抗戦もそこそこ観衆が集まった。高校ラグビーも花園は客が集まったし、社会人でも古くは近鉄、リーコー、その後の新日鉄釜石、神戸製鋼、さらには三洋、サントリーと集客力はサッカーよりはるかに上を行っていた。閑古鳥が鳴いていたJリーグ発足前の社会人サッカーと比べると、人気は雲泥の差だった。世界との力の差はサッカーよりはるかにあったにもかかあらず、昔からコアなファンはいたのだ。
それにしてもW杯の影響はすさまじい。社会人ラグビーが昔からそこそこ観客を集めたといっても満員になるのは選手権決勝くらいだったのに、今日から始まったトップリーグは中継を見た限りだがどこも満員だった。この人気がどこまで続くかは神のみぞ知るだろうが、俄か人気で終わることなく91年の三洋対神戸製鋼戦のような劇的な優勝戦を期待する。司令塔平尾の華麗なプレイ、最後のウィリアムズの奇跡の激走トライは今も瞼に焼き付いている。
そういえばあの試合、会社で見ていたのだが、普段はラグビーなど見ない社員も興奮して走れ、行け!と叫んでいた。それだけ、感動的な試合だった。あの興奮を知る者にとって、今日のラグビーの盛り上がりは感慨深いものがある。