tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

盛り上がりを欠く研究開発投資

2019年04月21日 20時45分04秒 | 科学技術
盛り上がりを欠く研究開発投資
 一昔前では考えられないことでしたが、スマホの5G化に関わる分野などで、中国や韓国の技術が日本を凌駕しているのではないかと思われるような事態が見られます。

 元はといえば、日本が超円高で長期の深刻な不況に苦しみ、就職氷河期と言われる中で若い人材がまともな仕事に就けず、運よく新卒一括採用で就職出来ても、企業は教育訓練費を大幅に削り、人材育成に手抜きをせざるを得なかったことも大きいと思います。

 また、高度な技術を持った中高年の人材が、人員削減や早期退職の憂き目にあったり、企業に残っても、賃金やボーナスのカットでアルバイトをしなければならなかったりして、結果的に韓国、中国の企業で働く事になって技術移転が実現したといった面もあるでしょう。

 しかし、円高が解消してすでに数年なります。日本企業の内部留保が空前の規模になっているという事はよく指摘されますが、その割に先端分野の研究開発がなかなか軌道に乗らないといった状況が見えています。

 研究開発分野で資金不足のため、外国資本の傘下に入ったJDIのような話も聞かれるところです。
 資金力の問題なのか、人材の育成・先端技術水準の遅れなのか、現場の実情はわかりませんが、何か日本の研究開発のエネルギーが弱まっているように感じられてなりません。

 そんなことで、日本の研究開発費について見てみますと、やはり、些か元気がないような現実が見えてきます。
 日本の研究開発費総額は、総務省の「科学技術研究調査」が調べています。この調査で2007年からの日本の研究開発費総額の推移を見てみたのが下図です。


総務省:科学技術研究調査

 一見してわかりますのは2013年以降急回復した日本経済ですが、研究開発費総額は10年前とほとんど変わっていないという事です。

 世界に目を向けますとOECD調査による各国の研究開発費は、図は省きますが、2015年でアメリカが5000億ドルでトップ、中国が2位で、4000億ドル、3位が日本で1700億ドルです。中国は2005年以降10年で4倍に増え、韓国は金額は少ないですが同2倍に増えています。
 何か日本の研究開発の元気のなさが見えるようです。

 なぜこんな状況になっていなっているのか、十分に検討する必要のある問題ではないでしょうか。かつて不況のどん底のころ、3K職種(きつい、汚い、危険)が、勘定科目の交際費、広告費、教育訓練費に変わって削減の対象たことがありましたが、この中の広告費が抜けて、代わりに研究開発費が入ったのでしょうか。

 冗談はともかく、最大の研究開発活動が企業である(研究開発費の7割強)ことを考えれば、日本企業も経営行動に変化が起きてるのかどうか、大変気になるところではないでしょうか。

「みちびき」今日から本格運用へ

2018年11月01日 16時45分28秒 | 科学技術
「みちびき」今日から本格運用へ
 日本版GPS衛星「みちびき」の4号機の打ち上げ成功で、いよいよ「みちびき」4機体制が整い、カーナビをはじめ、位置情報の正確性が格段に良くなると期待を込めて書いたのが去年の 10月10日でした。そして今日、その本格運用が始まりました。

 期待していた「その日」が来たという事で、早速、どんな風になっているのか確かめてみたいと思いました。
 ただ精度を上げるには、それなりの受信機の機能が必要という事のようで、受け皿の方が能力不足ではないかと心配でした。

 解説を見ると、誤差数センチの精度を得るたまには、特殊な電波を受ける装置が必要ですが、従来の誤差10メートル・レベルから1メートル程度の誤差になるのは従来の端末でもそのままでいいようにも読み取れますので、先ずはスマホで確かめてみました。

 実は、私のスマホで、私の定位置、西側の部屋の西の端に座っていて「現在位置」を見ますと、今迄は、どうしてか、いつも西隣の家の我が家側の所にマークが出てきてしまっていたのです。

 理由は解りませんが、やっぱり精度のせいだとうと思っていましたが、さて今日からはどうだろうと見てみますと、「なんだ、今迄と同じじゃないか」という事でがっかりでしたが、もし精度が上がっているのなら、何メートルか動けば「現在位置」が動くのではないかと思って、西側の部屋からスマホを持って歩いて、東へ動いて玄関を出て道路の手前まで歩いて行ってみました。

 数歩歩いたところで「現在位置」が我が家の方に移り、道路まで出たら、スマホの画面でも、「現在位置」は道路の近くまで動いてきていました。

 そこで、家の周りをぐるっと壁に沿って一回りしましたら、地図上の家とピッタリではありませんが、「現在位置」も、何とかそんな形で動いてくれています。
 今までそんなことをやったことはありませんでしたから、比較することが出来ないのですが、10メートルか15メートルほど歩くと、「現在位置」は、それなりに付いて来てくれることが解りました。

 という事で、我が家の私の定位置へ戻ってきますと。今迄、隣の家の分に入っていた現在位置が、我が家の中にあるという状態になりました。
 これは凄い、「みちびき」のお導きで、現在位置が我が家の中に戻って来たと喜んでいるのですが、実は今までもそうだったのか、「みちびき」の運用開始でそうなったのか、本当のことを言えば、解っていないのです。
 これから、スマホの機種なども調べて、本当はどうなのかだんだん解って来るようにしたいと思っています。

車の世界、HV いろいろ、面白くなりそうですね

2018年10月08日 16時08分50秒 | 科学技術
車の世界、HV いろいろ、面白くなりそうですね
 日産がノートという車を発表して、ガソリンエンジンで発電、その電気を蓄電池に貯めてモーターで走る方式だというので、何か不思議でした。
 それなら直接エンジンで走った方が効率が良いのではないかと思ったからです。

 説明によれば、「ガソリン→エンジン→エンジン走行」よりも「ガソリン→エンジン→発電→蓄電→モーター走行」の方が省エネで効率的になるな理由は「ガソリンエンジンが常に最も効率がよい状態で発電するから」ということだそうで、そういうことかと納得しました。

 電気自動車(EV)の泣き所は、充電に時間がかかる、航続距離が短い、の2点で、さらに寒冷地で暖房に電気を使うと航続距離は更に短くなる点もあります。

 PHVや、電池そのものを入れ替えるという工夫もありますが、十分な解決にはならないようです。

 ところで日経産業新聞によれば、今度は、小さくて効率的なガソリンエンジンをEVに装備し、それを必要に応じて作動させ発電して、EVの航続距離を長くする工夫が実用化されてくるようです。

 三菱重工はお得意のガスタービンエンジンを超小型化して効率よく発電する装置を開発するそうで、マツダはお得意のロータリーエンジンで静かに発電して、共に必要に応じて随時畜電池に発電した電気を供給すといった方法で、航続距離を伸ばす構想だそうです。

 BMWは自社で作っている二輪車のエンジンを使って、実用化していると日経産業新聞は報じていますが、小さなガソリンエンジンを併設して、効率的に必要に応じて随時充電し、省エネと航続距離延長に役立てば、また新しいタイプのハイブリッド車、丁度日産ノートと従来のHVの中間の様な構造のHVになるのでしょうか。

 報道にはありませんでしたが、随時エンジンも動かして発電するということになりますと、電池をあまり大きくしなくてもいいのかもしれませんし、さらに、エンジンから発生する熱は、暖房にも使えるわけで、寒冷地でも航続距離を気にしなくていいようになるのかもしれません。

 いろいろ出て来て選択に迷うかもしれませんが、生活必需品の自動車です、こうした開発競争は、大歓迎で、楽しみにしつつ、成果を期待したいところです。

資源獲得競争か 省資源・材料転換か

2018年09月12日 14時28分22秒 | 科学技術
資源獲得競争か 省資源・材料転換か
 科学技術の発展は、このところ加速の一途のように感じられます。その中でますます必要の度が増していくのは多様な資源でしょう。

 最も基本的のものはエネルギー、さらには水資源。 そして多様な鉱物資源の必要度もますます強まっていくように感じられます。
 しかし、地球上の資源の賦存はかなり偏ったものですから、当然、資源獲得競争につながり、それが国際紛争につながることも多くなるわけです。

 石油資源を抑えた国が覇権を握る時代も長く続きました、イギリス、アメリカ、そしていま中国が資源獲得競争に本腰を入れていることは明らかでしょう。

 ところで日本はどうかと言いますと、石油資源獲得を目指して太平洋戦争の突入しましたが、それが大失敗だったことに気づき、資源獲得競争からは離脱という所でしょう。
 日本の選んだ道は、資源国は資源を売らなければならない、ならば買えるだけの原資を稼げば問題ない、という路線でした。
 オイルショックなど大変なこともありましたが、これは正しい選択だったようです。

 さらにもう一つ、日本がやってきたことがあります。それは省資源・材料転換です。ヨーロッパ諸国でもこの活動は盛んです。
 石油価格が1割上がったら、燃費の1割良い車を作る、石油の代わりに太陽光、風力、地熱などでエネルギー(電力)を活用しようという発想です。

 鉱物資源では好例は強力磁石に必要なネオジムでしょう。中国がネオジムを値上げすれば、 ネオジム使用量10分の1で同じ磁力のでる磁石を開発するといった取り組みです。
 今、特に開発競争がし烈な蓄電池などの分野では、触媒や電解質などで多様な安価な新材料の開発が盛んです。

 日本はアメリカや中国のうに超大国ではありませんし、戦争をしないという憲法を持った国ですから、資源獲得競争などには不向きでしょう。だから仕方なく省資源や材料転換などでしのぐしかないという見方もあるでしょう。

 しかし本当はそうではないようです。太陽エネルギーは別ですが、地球の資源は有限です。資源の消費の方は限りがないでしょう。『成長の限界』はとうに論じられています。ブレイクスルーは省資源化材料転換しかないのです。

 結局そこに行き着くのであれば、最初からそれをやっていることが大変大事になってきます。
 偶々日本は、資源獲得競争に敗れて、「資源は人間だけ」と言われる4つの島に住む事になりました。そして、人間の能力開発にすべてを賭けることになりました。そしてそれが究極の勝利を握る手段だという事に気が付いてきました。

 アメリカは資源獲得競争に勝った挙句に、この所は行き詰まりつつあるようです。南沙諸島などで頑張る中国の将来はどうでしょうか。
 いつかは世界中が、省資源、材料転換しかないことを知るのでしょう。日本は経済政策、技術立国の道をそこに賭け続けるべきでしょう。
 それがいつかは世界の平和につながることも確り視野に入れながら。

プラスチック廃棄物をどうする

2018年08月28日 22時44分15秒 | 科学技術
プラスチック廃棄物をどうする
 原子力発電について、「トイレの無いマンション」という言葉がはやりましたが、トイレのマンションは原発だけではないようです。

 中国のプラごみ輸入禁止から、急遽問題になっているのがプラスチック廃棄物問題です。さらにこれは、海洋汚染、魚類やクジラ、海鳥までに至る生態系に深刻な影響を与えつつあるという調査や、研究が数多く発表されています。

 原子力利用の廃棄物とは違ってリサイクルの技術も開発されているのですが、収拾、輸送、選別、洗浄、原材料還元、再利用といったリサイクルのコストが高く、採算ベースに乗らないという場合が多いようです。正確にはトイレがないのではなく、トイレが足りないマンションでしょうか。

 しかもプラスチック廃棄物はこれからも急速に増加するという予想が、これも数多く出ており、そレが現実になりつつあるようです。

 例えば、PET製品(ペットボトルなどのポリエチレンテレフタレート製品)のリサイクル率はドイツで40%台、スイスが30%台、日本は20%
等と言われますが、これまでプラごみの中国への輸出で何とかやってきた日本も、これからが大変です。

 しかし、生態系から地球環境にまで影響を及ぼすことが予想されるとなると、CO2とはまた別の環境問題として、地球社会として取り上げなければならない問題でしょう。

 今、プラスチック製ストローをやめようといった動きもあり、勿論望ましい方向ですが、問題はどこまで効果があるかです。恐らくプラスチック製品を使うなと言っても、こんな便利なものは今はほかにないので、あまり現実的ではないのかもしれません。

 という事であれば、矢張り何とか完全リサイクルを考えなければならないでしょう。これは物理的、化学的処理による再資源化、単純に言えば、石油から作ったものだから、石油に戻すことが出来ればという事になるわけですが、収集、輸送、選別(分別)洗浄といった、いわば社会的なコストの方が大きくなりすぎることも問題のようです。

 しかし、これは何とかやり遂げなければならない問題でしょう。石油資源の争奪戦は今でも地球上で続いていますが、人類共通のプロジェクトとしてプラスチックの完全再利用の社会的、技術的サイクルを確立するといった努力が必要になっているのではないでしょうか。

 石油資源の争奪が国家間の争いに発展することを防ぐためにも、世界の平和を目指す日本が率先してプラスチックリサイクルの総合システムを創造し、それによって世界の平和に貢献するといった構想を持ってもいいのではないかと思うのですが、やっぱりカジノや文言だけの改憲の方が大事でしょうか。

 

再び AI について

2018年06月05日 11時27分36秒 | 科学技術
再び AI について
 蒸気機関の発明、実用化から、ガソリンエンジン、電動モーターの活躍、更にエレクトロニクス、そしてAI と科学技術の発展はまさに幾何級数的で、最近はAIは人間を超えるかとか、AIの発達で、人間のする仕事は無くなって、大失業時代が来るなど、いろいろ心配する向きも多いようです。

 以前にも一度 AIについて書きましたが、私自身は生来の楽観主義的な性格のせいか、AIの進歩には期待こそすれ、心配はしていません。
 防犯カメラの社会的な貢献は凄いものがありますが、最近では、映像技術との組み合わせで、大衆の中から犯罪者を識別し、特定してしまう事も出来そうです。

 しかし、不審尋問をし、取り押さえるのはやはり人間に仕事でしょう。やはりまだまだ、人間がやらなければならない仕事は無くならないと思います。

 最近ときに耳にするんは、ドクターG とか、裁判官のように、あらゆる病状や症例、あるいは法律・判例を知り尽くすことが必要な仕事は最もAIに適しているなどという見方です。
 確かに、人間の脳は、記憶が薄れたり、関連する類似の事にうっかり気が付かなかったりすることもあるという構造になっています。

 しかし、AIはインプットされた情報はすべてきちんと検索して、忘れたり見落としたりすることはないでしょうから、そういう意味では人間より優れているでしょう。
 でもこれは、われわれが面倒な計算を電卓に頼るのと同じで、それを利用して、最終的に判断するのが人間の役割でしょう。

 データの保存や処理はAIに任せて、人間の仕事の質がより高く、より早く出来るようになるというのが到達点でしょう。
 しかし、AIは自分で資料やデータの収集はせず、インプットも人間が手伝ってやらないとできませんから、その辺りが確りしていいないと、良いAIにはなれないでしょう。

 このプロセスは、基本的には生産現場などの技術革新と同じでしょう。
 やるべきことは解っているのだけれど、人間がやっていたのでは時間もかかるし、精度もばらばらになる、それならロボット(自動機械)にやるべきことをきちんと教えて(プログラミングの組み込み、工具の精度や強度の設定などをきちんとし)作業はロボットにやらせて、その結果を利用し、人間自身はその間もっと前向きの仕事をするというのが今までの経験です。

 世の中は人間が主人公ですから、AIの発達自体も、人間の能力を超える事にはなりそうもありません。
 
 星新一さんのショートショートでしたか、「巨大なコンピュータに世界中の神様に関する情報をすべてインプットしたら、コンピュータが消えて、この世に「神」が実在することになった」といった話があったように記憶します。

「さすが」星新一とうなりましたが、SFの世界は別として、AI自体が「自分で勝手に育つ」ようになるにはどんなプロセスが必要になるのでしょうか。

多様な技術革新の時代、広がる日本人の得意技

2018年03月19日 12時20分55秒 | 科学技術
多様な技術革新の時代、広がる日本人の得意技
 経済・社会の発展に技術革新:イノべーションは欠かせません、これまでもそうでしたが、これからは益々多様な分野でイノべーションの重要性は高まるでしょう。

 自動車はハイブリッドかEVか、さらには燃料電池車か、各国、各社がしのぎを削っていますし、その中で、やっぱり重要になるのは蓄電技術だという事になりますから、蓄電に関わる多様な技術が急速に進化しています。

 こうした面でも日本は日本らしい地道な頑張りを見せて着実にトップグループを走っていますが、最近の報道の中で、こんなのもあります。
一度絶滅が言われた小笠原のアホウドリの復活作戦の成功が世界でも評価されているというのです。これなどは特に「日本らしい」という意味で、注目すべきでしょう。

 絶滅宣言後、偶々、鳥島で発見された10数羽のアホウドリを本物そっくりのデコイ(模型)と繁殖期の鳴き声の録音放送で、で安全地帯に誘致、さらに小笠原の聟島への移送にも成功、すでに数千羽までの繁殖に成功したとのことです。まだ安心できないと山階鳥類研究所は真剣な取り組みを続けているとのことです。こうした対生物の分野では、特に日本人の自然との関わりにおける感覚の鋭さ、緻密さ、勤勉さなどが生きているようです。

 この実績に注目、海外からも実習に来るといった動きもあるようですが、こうした、対生物の分野では、世界に先駆けているものに近畿大学で成功している「クロマグロの完全養殖」もあります。
 すでに完全養殖のクロマグロが私共の食卓に上ってきているとの報道も、過日ありました。

 これらは動物の例ですが、植物の例でも数多くの、海外が注目する事例があります。人工栽培のキノコはスーパーに並んでいますが、レタスをはじめ多くの野菜が、徹底した人工制御のオートメ化で、100%クリーンな形で工場生産されるようになっています。
 この技術は中近東諸国などでは、最も興味を持つもののようです。

 更に最近、また少し違った分野での、優れた技術が世界で評判になっています。日本製ウィスキーが世界で評判になっているのです。それも、サントリー、ニッカといった日本での有名ブランドとともに、殆どの日本人も知らなかった埼玉県の秩父蒸留所のウィスキーが世界で注目されています。
日本産ワインも、近年俄然世界の注目度が上がっているようです。勿論日本酒の輸出も好調のようです 

かつての、ジョニ黒から始まった舶来ウィスキー崇拝、ワインはフランスといった信仰(今でもボジョレ・ヌーボーの輸入量は日本が最大のようですが)は薄れて、逆に、これからは、こうしたいわば本場の人たちが、日本産を追い求める時代になったのでしょうか。

 さらには、つい昨日でしたでしょうか、日本の野菜の味の良さが注目され、日本の野菜の種子のビジネスを三井物産が種子企業2社と組んで始めるといった報道もありました。もちろんF1(一代雑種)の種子という事です。

これから、日本のイノベーションも、種々の思いがけないような分野で進むのではないかとなどと予想し、(聞くだけで食欲が減退するようなニュースが多い中で)些か楽しくなったりしている自分を発見して、それとなく意を強くしたりしています。

先端技術と人間

2018年01月11日 15時37分14秒 | 科学技術
先端技術と人間
 平成30年も10日経ちました。日本では年末商戦も多少活発だったようで、新年には福袋も、高額のものも含めて、かなり活況だったようです。
 年初来株価も上げ基調、昨日、今日は円高と利食いで反落ですが、評論家は口をそろえて先行きは高いと説明し、我が国としては、良い年の初めと言えそうです。

 そんなところに2つほど困ったニュースが入ってきました。1つは、アメリカはラスベガスの世界最大の家電見本市、「CES」で2時間の停電があったというニュース。もう1つは、PCやスマホのCPU(中央演算装置)に深刻な欠陥が見付かったというニュースです。

 ともに、現代エレクトロニクスの最先端を行くことを誇示、標榜する代表格のイベントや製品ですが、やはり人間のやること、100%完全とは言えないという現実を突きつけられたような気がします。

 CESの停電の方は、インテルが「CES2018最大のヒット商品、『Blackout』をご紹介します」とツイッターに書き込んだとのことで、特に事故でもない限りジョークで終わることもできる事かもしれませんが、よく考えれば深刻な問題も含まれているような気もします。

 CPUの問題の方は、中身はとても分かりませんが、これからあらゆる物がIoTでつながり、自動運転車からVRの世界まで人間の機能が多様に拡張され、そのコアとなるべきCPU ですから、これは本当に深刻な問題ではないかと感じてしまいます(ハッカーなどという困った人たちもいるのです)。

 CESの停電は、前日の大雨のせいで変圧器に不具合が生じたようだと説明されたそうですが、日本式に言えば、この重要なイベントの前、大雨もあったというのであれば猶更、点検の方はどうだったのか、という事になり、不完全な点検という人為的なミスとされるでしょう。
 やはりアメリカの自動車に故障が多い、日本では売れないといったことと関係なしとは言えないのではないでしょうか。
 そういえば、日本でも長期不況以来現場力の低下で、ケアレスミスが多発すると指摘する先輩たちもいるようです。

 CPUは超複雑なものだけに、これは大変でしょう。先日、メーカーの指示に従って修正したら、ほかの機能が動かなくなった、急いで修正しないように、というネットへの書き込みを見ました。
 どちらかというと新しもの好きの私ですが、躊躇しているところです。

 IT、IoTの心臓部ともいうべきCPUです。これからますます進歩しなければならないでしょう。しかし、そうした技術革新は進化すれば進化するほど、「完全性」(=安全性?)の確保は難しくなるのではないでしょうか。

 マイクロエレクトロニクスといった言葉が生まれて以来、その進歩は著しく、われわれの生活の便利さは飛躍的に増大しました。しかし、その背後には、常に、人間の絶え間ない緻密な努力があって、初めてそれが可能になっているという事を、われわれ自身の行動への反省とともに、何か強く感じさせるニュースのような気がしています。

いよいよ体制整う「みちびき」4機体制

2017年10月10日 22時13分21秒 | 科学技術
いよいよ体制整う「みちびき」4機体制
 今日、日本版GPS衛星「みちびき」の4号機の打ち上げ成功で、日本でのカーナビは、最小6cmの誤差で地上の位置測定ができることになるとのことです。

 運用は来年の4月1日からという事ですが、勿論カーナビだけではありません。これでいったいどんなことが可能になるのか、どんな新しいビジネスが生まれてくるのか、楽しみが増えました。

 GPS衛星といえば、通常の衛星のように、地球の周りをぐるぐる回っているのかと思いきや、実際の軌道はそうですが、「みちびき」4機のうち一基だけが赤道上の静止衛星で、あとの3機は,地上から見れば、日本上空からオーストラリア上空にかけて8の字の軌道を描いているのだそうです。

 しかも日本の上空にいるときはゆっくり動いていて、南半球にいるときは急いで回って、早めに北半球に帰ってくるという優れものです。この軌道を3機が回っていますから、8時間交代で、次々と衛星が日本上空に来て、次の衛星が来る頃には、南半球に行きますが、また急いで帰ってくるというわけです。

 赤道上だと静止衛星(天頂衛星)で、地球の自転と同じスピード(角速度)で24時間で地球を一周しますから、地上から見れば、止まっているわけです。
 日本が赤道近辺にあれば、いいのですが、そうでないので、北半球と南半球を行ったり来たりしなければならないわけで、こういうのは準天頂衛星というのだそうです。

 ケプラーの惑星運航の法則や、ニュートンの力学で解析し設計してそのような軌道に投入するのでしょうが、H2Aの打ち上げが失敗しないのも凄いですが、衛星を毎回きちんと予定の軌道に投入できるというのも何か凄いですね。

 マスコミでは、カーナビの正確性は勿論、ドローンによる配送や、無人トラクターや農業機械などなど無限の用途が広がると言っていますが、多分プレートの沈み込みで、日本列島のどの部分が何㎝どちらに動いたなんていうのも正確に解るのでしょう。

 世界の国々でも、自国用のGPS衛星の利用は競争状態のようですが、「みちびき」の精度は抜群のようで、アジア地域での「みちびき」の利用、優れた精度の国際展開など、いろいろ期待できそうです。

日産自動車の完成車検査問題は悲劇か喜劇か

2017年10月09日 09時37分40秒 | 科学技術
日産自動車の完成車検査問題は悲劇か喜劇か
 夏目漱石がその著「虞美人草」の終わりの部分でこう書いています。

 「問題は無数にある、粟か米か、これは喜劇である。工か商か、これも喜劇である。あの女かこの女か、これも喜劇である。綴織か繻珍か、これも喜劇である。英語かドイツ語か、これも喜劇である。すべてが喜劇である。最後に一つ問題が残る。生か死か。これが悲劇である。」

 今回の日産自動車の完成車検査の報道を見て、なぜか、この一節を思い出しました。
 自動車を走らせるという事は、故障すれば、生死にかかわる問題です。ですから、自動車のメーカーは出来るだけ安全な車を作り、国はその自動車が安全だという確認をするという責任を持ち、そのために車検制度があるのでしょう。

 もともとは国が1台1台検査して、OKを出さなければならないのですが、そんなことをしていたら大変なので、「型式」を決めて、その型式のものは同じものと認めて、国はいちいち検査はしない、しかし、国の検査を代行する「みなし公務員」の資格を持つ検査員という制度を設け、その人たちが国の検査を代行する、という事になっているようです。

 工場ラインオフの完成車(新車)の検査員と、中古車の検査員には違いがあるようで、詳細の違いは解りませんが、完成車の場合も、検査員の資格を持った人が実地に検査をして、ハンコを押さないと車検証の有る市販車としては認められないという事でしょう。

 日産自動車の問題は、検査員の資格を持っていない人が検査をしていたという事が問題になり、届け出にはハンコが必要なので、資格を持った人のハンコを押していたというので、これは当然届け出書類の偽装という事になります。

 確かに法律に違反することは良くありません。しかし、考えてみれば、この制度は、本来、自動車が安全なものであることを確実にするために出来ている制度でしょう。
 無資格者が検査したから、日産の車の品質が落ちたという話は聞きません。故障の統計で無資格者検査の場合は有意の差があると調べたわけでもないようです。

 担当官庁の方が激怒したという報道もありましたが、無資格者が検査した車は、判明した時点で「公道で運転してはいけない」という事でもないようです。法律には違反したけれども、安全性に問題はないと認識しているという事なのでしょうか。

 日本車は世界で最も故障しないと言われています。生産技術が進んで安全性が高まったが、、法律・制度が、それに追い付いていないという面もありそうです。

 こんな問題が起きても、それが悲劇でなく漱石流に言えば、喜劇で済んでいるという所に、日本のモノづくり技術の水準の高さが見えているように思うところです。

経産省、航空機産業に注力

2017年09月25日 15時21分44秒 | 科学技術
経産省、航空機産業に注力
 経産省が遅まきながら、我が国の航空機産業の本格的発展を目指して、纏まった政策を打ち出そうという事になったようで、遅きに失した感はありますが、大いに歓迎したいと思います。

 海外、特に航空機産業に注力している国から見れば、「日本が始める? これは要注意だ」という事になるのかもしれませんが、我が国にとってみれば、新しい大きな産業分野が、組織的に整備されるという事でしょうから、多様な発展の可能性が大きいのではないでしょうか。

 戦後の日本産業の発展を見て来ますと、廃墟の中で、すべてに後発だった日本産業が、持ち前の勤勉さを生かして「追いつけ、追い越せ」で頑張ってきた軌跡が辿れます。
 
 1ドルが360円で、低賃金を生かした軽工業品の時代は早期に卒業し。海外主要国が先進技術を誇った、カメラ、オートバイなどで急速に世界市場に進出、成功を収めてきました。

 昭和30年代の終わりごろ、日本の自動車産業が輸出を始めたころです。ある大手自動車メーカの方に、何時かは日本の自動車が、世界市場を制覇する日が来るかもしれませんね」といったところ、「自動車はカメラやオートバイのようにいくことはないでしょう。自動車産業というのはそんなに甘くないですよ」といわれたことがあります。

 今では日本車は世界でも、「最も故障しない良い車」と評価されているようですが、その間日本産業は「追いつけ追い越せ」の分野だけではなく、トランジスタラジオ、ウォークマンからデジカメまで、それまで世界になかった独自の製品も作り上げてきています。

 航空機については、YS11は飛びましたが、種々国際的な制約もあったようで、その後はMRJまでブランクで、MRJ開発も遅れに遅れています。しかしその間に、ホンダジェットが飛び始めるといった独自分野も出てきています。

 一方で、大型航空機の部品においては、炭素繊維技術を生かして部品製造には日本の航空機部品産業が世界になくてはならない存在にまで上り詰めています。
 今回の、経産省の政策は、こうした航空機部品の産業クラスター(集積)を総合的に組み上げ、全体の情報共有や協力体制を構築しようという事のようです。

 この動きが、伝統的に産業育成では成功例の多かった旧通産省の流れを汲んでいるとすれば、これは将来、日本の航空機産業が世界を制覇する可能性を開くことに繋がっていくのかもしれません。
 遅れに遅れているMRJのケースを見ながら、期待するところの大きいニュースです。

人口光合成で世界をリード:日本らしさの新展開

2017年06月19日 15時43分06秒 | 科学技術
人口光合成で世界をリード:日本らしさの新展開
 アメリカのパリ協定離脱で地球環境問題は大荒れですが、考えてみれば、世界で最もCO2を出しているのは、中国、次いでアメリカです。

 その中国は、国内大都市のひどい状況もあり、国際的に歩調を合わせていますが、一方ではCO2排出の元になる化石燃料資源の獲得には異常な執念を持っているようです。
 アメリカは、今や世界トップクラスの石油・天然ガス資源国で、化石燃料利用が最も合理的という立場にあるのでしょうか。

 こうした事情を考えても、CO2問題の解決は容易ではありませんが、矢張り長い目で見れば、何としてでもやらなければならない問題でしょう。

 環境改善の代名詞はGREENですが、緑は草木の色で、その色の元は葉緑素、地球上に葉緑素を持つ植物が生まれ、お蔭で酸素のなかった地球の大気に酸素が増えて動物が発生することになったのでしょう。だから動物は緑を見ると安心するのでしょう。

 そして、世界の中でも、日本人は、縄文時代から森を大切にし、森が深ければ海も豊かになることを知っていて、今でも国土の70%が森林という世界な稀な国づくりをしてきました。
  こんなことをこのブログでは 繰り返し書いてきていますが、もう一つ、今の日本が力を入れているのは、CO2を原材料にしてプラスチックを作ろうとか、葉緑素が担う「光合成」(炭酸ガスと水から有機物を合成して、そこでいらなくなった酸素を大気中に排出する)を人間の手でもやろうという取り組みです。

 化石燃料は炭素と水素でできています。それを燃やしてエネルギーを取り出すという事は、炭素が酸素と化合してCO2になり、水素が酸素と化合して水(H₂O)になる時に出すエネルギーを使っているという事です。

 一方、植物は根から水を吸い上げ、葉で太陽エネルギーを吸収して化石燃料の元になる有機物(澱粉など)を作り、 酸素を排出しているのですから、人間もCO2排出するだけの片道切符ではなく、酸素を出す方もやって往復切符を持つのが「人口光合成」です。

 すでに、 旭化成や東芝が、CO2からプラスチックをつくる技術を開発したり実証プラントを作ったりしているのですが、最近では植物と同じように、CO2と水から、ソーラーパネルで太陽エネルギーを取り込み、多様な触媒を使って、メタンやエチレン、従来はナフサから作っていたオレフィンを作ってしまうという技術です。

 昭和シェル石油、豊田中央研究所、東芝などが、多様な有機物質を合成し、その変換効率を競っているという報告もあります。
 またNEDOが中心になった多くの大学・化学会社が参加するプロジェクトでは水を水素と酸素に分解して水素はエネルギー源や有機物の合成に使い、酸素を輩出する効率の向上を進めているという事です。
 
 日本人は、縄文以来、森(緑・葉緑素)を大事にし、自然との共生を実現して来ました。この伝統が、いま植物の働きを人工で補完しようという、根源的な地球環境問題の解決に向けて進められているとすれば、これこそ日本人に似合う技術開発でしょう。

 そしてそれが。地球環境改善と同時に、資源獲得競争やそれに絡んだ領土問題などの意味を失わせることになれば、これも平和憲法を持つ日本に最もふさわしい取り組みではないでしょうか。
 日本がこの分野で世界をリードすることを願うや切です。

CNF(セルローズ ナノ ファイバー)に期待

2016年11月04日 17時23分11秒 | 科学技術
CNF(セルローズ ナノ ファイバー)に期待
 ご専門の方には旧聞に属するのかもしれませんが、日本では製紙企業を中心にCNF(セルローズ ナノ ファイバー)の実用化が、世界に先駆けて進められているようです。

 木質の繊維をナノレベルまで分解することを可能にした東大の磯貝教授らの技術をベースに、それを素材として活用して、まさにマジックのように、多様な可能性が広がり始めているようです。

 CNF(セルローズ ナノ ファイバー)は、ガラスのように透明で、弾力性もあり、強度は鉄の5倍、重さは鉄の5分の1といわれます、これだけでも驚きですが、添加剤にすれば、消臭機能や粘度の向上が可能になり、日用品であれば紙おむつ、ソフトクリームの形を保つなどといったことから始まり、ゴム製品やプラスチックの性能向上、薄膜ガラスの代替などなど多様な開発が進み、すでにすでに実証生産設備が稼働、製品の供給も始まっているようです。

 まだ価格は炭素繊維より高い状態のようですが、量産効果や技術開発で、価格も急速に下がるでしょう。
 いずれにしても植物由来ですから、環境問題の解決には、まさにうってつけで、自動車の軽量化などに本格的に活用されるようになれば、活用の可能性は無限に広がっていくのではないでしょうか。

 もともと日本初の技術が核心になっており、実用化のついても日本が世界に先駆けている状態のようです。

 偶々今日は地球温暖化問題に対するパリ協定の発効の日で、この協定に後ろ向きの日本に対してはマスコミも強く批判的です。

 こうした問題に前向きに対応していくためにも、大きな可能性を一つ提供しているのがCNF(セルローズ ナノ ファイバー)ではないでしょうか。
 世界に先駆けた日本企業の一層の活動を期待したいものです。

CO2の原材料化さらに進展

2016年10月14日 09時30分22秒 | 科学技術
CO2の原材料化さらに進展
 地球温暖化・気候変動の元凶とみられているCO2をプラスチックの原材料にするという技術開発に東芝が成功したという報道がありました。

 CO2と水から、ペットボトルなどに使う樹脂「ポリエチレンテレフタレート」(PET)の原材料となるエチレングリコールを合成するという技術だそうです。

 もともとCO2は、人間が化石燃料を多用するようになって、排出量が増え、かつての京都議定書から現在のパリ協定まで、人類はその知恵を駆使して排出量を減らそうと、まさに必死の努力をしている最中です。

 そのCO2という化石燃料の燃えカスから、従来なら化石燃料から作るのが当たり前と考えられていたPETを作るというわけです。

 CO2はドライアイスや炭酸飲料には使われますが、それで大気中のCO2が減るわけではありません。
 しかしペットボトルを化石燃料からではなく、CO2から作れば、それだけ大気中のCO2は減るわけで、化石燃料から作る場合に比べれば、CO2の削減にはダブルの効果を持ちます。

 しかも今回の東芝の技術開発は、有機物でできた触媒を使うという事だそうで、希少金属などを使うのではないようです。

 もともと植物は葉緑素の力で、CO2と水から太陽光線を使って、草や木を作り出しているのですから、人間の技術がそれに一歩近づいたという事でしょうか。東芝では太陽光でなくソーラーパネルで発電した電気を使うという事だそうです。

 すでに 旭化成も、CO2を原材料にポリカーボネートをつくる技術を開発していて、さらに進んだ実証プラントの建設も決めたとのことですが、地球上の自然がやってくれていることを、人間も自然に協力してやれるようになるという事は素晴らしいことだと思います。

 今回ノーベル賞に輝いた大隅良典氏の「オートファジー」にしても、自然はきちんとリサイクルを行い、地球上の自然をサステイナブルなものにしているのです。

 その自然の営みを乱す(化石燃料の過剰消費や「核分裂」のエネルギー利用など)のではなく、黙々と行われている自然の営みに協力するのは、 人間の自然環境に対する、ささやかでも大事な恩返しでしょう。

 ジュール・ベルヌは「人間が想像できることは、人間が実現できる」と言っていますが、こうした自然の営みに積極的に協力するような技術開発が一層進むことを願うところです。

「自動運転車」考

2016年09月30日 10時51分29秒 | 科学技術
「自動運転車」考
 自動車業界、ドライバー仲間、各種交通機関、道路交通取り締まりから交通法規立法の分野まで、最近の話題は「自動運転車」が中心の様相です。

 もともと自動車(automobile)は「自分で動く」という意味ですから、自分で動いて当たり前ですが、動くのは自分でも、その動きをコントロールするのは運転者という機能分担になっていたのが今までの自動車だったという事に気が付きました。

 そこで自動車ではなく「自動運転車」という言葉が出来たのでしょう。2020年には高速道路では自動運転が可能になり、2025年には一般道でも、などという予測がされています。

 アベノミクスの経済予測と違って、こちらの方は結構予測が当たる可能性もあるのかもしれません。
 そうなると運転者はいなくなって、乗客だけが存在するという事になります。自家用車を運転する人にとっては問題ないでしょうが、運転を職業にしている人は失業という事になるのでしょうか。かなり深刻な問題のようにも感じます。

 自動運転車を持つという事は、自家用運転手付きの車を持つという事になるのでしょうか。しかも賃金支払いの必要はありません。
 自宅の車庫で車に乗って、行く先を入力すれば、あとはTVを見ていても、お酒を飲んでいても、時間がたてば目的地についているということになります。

 多分、運転免許証などはいらなくなるでしょうし、飲酒運転なども問題にならないという事でしょうか。

 しかしそうなるまでには、自動運転車の開発だけでなく、各種交通インフラも含めた総合的な徹底した整備が必要になるのでしょう。一般道でも高速道路並みのインフラ、車線の表示や歩道の整備、自動運転にはなりそうもないバイクや自転車との調整、駐車や駐輪との関係もきちんとしたルールを整備し、それが守られないといろいろ問題が起きるでしょう。
 自動運転装置のハッキングや妨害電波などは重大な犯罪という事になるのでしょう。

 本格的な自動運転の一般化には、いろいろと問題があり過ぎるような気もしますが、かといって、自動運転技術の開発でリードすることは、これからの最重要課題の1つで、やっぱりやらなければならないことでしょう。

 そしていつかは、交通インフラも含めて、社会的な総合システムとしての本当の自動運転の時代が来るのでしょう。
「運転する」という楽しみは、どこか別の分野でやることになるのでしょうか。

 でも私の時代は、まずは安全運転に最大の努力をすることだと思っています。