tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経営計画

2007年10月20日 12時17分46秒 | 経営
経営計画と数値目標
 企業に対するアンケートなどを見ていますと、企業の7割から8割ぐらいは経営計画を立てておられるようです。
 というここは2割から3割の企業が、経営計画のない、いわゆる「成り行き経営」で、出たとこ勝負の経営をしているということになります。とは言うものの、そういった企業でも、経営者の頭の中には「来年は出来れば何パーセントぐらい売り上げを伸ばして・・・」といった経営計画の原型になるようなイメージは必ず存在するはすです。

 経営計画を立てていない企業は殆どが中小あるいは零細企業のようですが、経営計画というのは、そうした経営者が持っている願望としてのイメージをより具体的な形にして、経営者本人の努力目標とすると同時に、一緒に働く従業員にも「そうか、それなら俺たちもその目標に向かってがんばってみよう」という気持ちを起こさせ、企業の成長の原動力にすることを目指すものでしょう。

 ですから、経営計画というのは、企業が成長して良くなれば、経営者も喜び、従業員も喜び、株主も喜ぶようなものでなければなりません。ということは、経営計画の中身は、売り上げの成長だけではなく、それに伴って利益も人件費も増える、つまり利益と人件費の合計である「付加価値」(厳密には金利などのその他の資本費も入りますが)が具体的のどのくらい増えるかが目に見える数字で示されている必要があります。

 企業は単純に言ってしまえば、付加価値を生産するために活動をしているものですから、創出する付加価値が増えれば、利益も増え、賃金も上がり、利益の中から払われる配当も増えていくことが可能になります。

 その意味で、経営計画には数値目標が必須です。数値目標の中の大目標は売り上げをどれだけ増やし、付加価値をどれだけ増やすかでしょう。そしてその次の目標は、その付加価値を、利益にそして人件費にどのように配分するかでしょう。利益計画が出来れば配当計画も、その中から出てきます。

 では、売り上げや付加価値を増やすために何が必要かということになりますが、それは、新鋭の設備投資にどれだけ投資するかでしょう。もちろんそれを使いこなすための従業員への教育投資も必要です。そのお金の源泉は、利益の中から税金や配当を払った残った「内部留保」(時にはプラス借入金)です。こうして、利益から設備投資へ、その結果、売り上げ・付加価値の増加へ、そして利益、賃金の増加、内部留保の増加、設備投資・・・と回っていきます。

 政府の経済5カ年計画と同じように、計画は必ず狂います。狂ったらまたそこから新しい計画を立てればよいのです。経営計画は、みんなで論議して、みんながその気になって、数値目標を立てることに意味があるということではないでしょうか。