tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

FRBは利上げをするのか

2015年09月14日 10時24分09秒 | 国際経済
FRBは利上げをするのか
 アメリカの異次元金融緩和もいよいよ出口模索の段階から、出口に向かう扉を開け、階段を上る段階に入るのでしょうか。
 9月利上げ説が言われる中で、FOMCは16・17両日ということですが、利上げは延ばすのではないかという観測が強まっているようです。

 もともと雇用と物価の動きが経済の回復を示せば、利上げに踏み切るという姿勢だったわけですが、雇用はそれなりの強さを示す一方、物価は世界の資源価格の低迷で目標の2パーセントにはほど遠い状況です。

 利上げは本来アメリカ経済の問題ですから、国際的な資源価格の影響は関係ないはずで、ホームメイドインフレで目標を決めればよかったのかもしれませんが、今度は消費者信頼感指数がよくないなどと新しい指標も出てきて、予測も混乱状態です。

 地方のFRB 議長の中には強気の人もいて、利上げ、利上げと言ったりしていますが、イエレン女史はもともと労働経済学者で、実体経済を重視するのではないかと私は考えています。

 アメリカにはアメリカの事情があるでしょうし、利上げがあるかないかの予想に参加するつもりはありませんが、アメリカが利上げをすれば、異次元緩和で途上国を潤していたマネーがアメリカに吸い上げられ、途上国の不況が深刻化するといった意見も強く、アメリカ自身が、基軸通貨国の責任をどこまで考えるかも問われる状況です。

 一方では中東やアフリカの混乱も激化し、難民問題が未曽有の深刻さといったこともあり、問題は、単にアメリカ経済の動向と金利政策といった範囲の問題ではなくなっているような感じすらします。

 こうした状況を考えれば、アメリカとしても極めて動きにくいでしょう。もちろんアメリカが経済を健全化し、金利の正常化を進め、世界経済、各国経済が、それぞれに健全化す方向に動くことが一番ですが、現実にはアメリカも不安定、途上国は援助が必要です。

 アメリカは金利引き上げにもっていきたい、しかし途上国から文句が出そう、もうひとつ、アメリカ自体がドル高でやっていけなくなったりする可能性も高いので、利上げはするが、実際にはその悪影響が最小限といった超小幅利上げの可能性などもあるのではないでしょうか。
 先延ばしの可能性も含めて、もうすぐアメリカの考え方(肚の中)が明らかになります。さて、どんな結末になるでしょうか。