今日、厚労省から2025年1月分の「毎月勤労統計」が発表になりました。
2か月前、2024年の11月分が発表になった時の報道の見出しは「4カ月連続マイナス」という事で、春闘の賃上げは高かったけれどやっぱり、ボーナス月以外はマイナスかという感じでした。12月はボーナス月で何とかプラスになりましたが、さて、年が明けて1月からはどうだろうかという事になりました。
今日、1月が発表にいなってみますと、報道の見出しは、「3カ月ぶりのマイナス」ということになっています。
何かおかしいな、3か月ぶりのマイナスという事は昨年の11月、12月はプラスという事になるわけで、昨年11月に4カ月連続マイナスといったのはどうなったのという事にいなります。
理由は厚労省が詳しく説明していますが、年間の季節調整値の出た段階で最新の1年分と最も古い1年分を差し替え、最新28年分データを解析して季節変動値改定するのだそうです。
今回はそれに加え、大掛かりな計算手法の改善を行ったとのことで、数字が少し動くことになったのでしょう。
結果的に、それで動いたのは昨年では11月だけで、11月の-0.3が+0.5に変更なり、ボーナス月12月のプラスとつながって、1月が3カ月ぶりのマイナスとなったということです。統計は改定されれば古い数字はもう使われません。改定後の過去1年の数字は下のグラフです。
それにしても1月はまた大幅なマイナスになってしましたが、これは米価の、直接、間接の影響などもあり実質賃金の計算に使われる消費者物価指数「持ち家の帰属家賃を除く総合」が前年比4.7%も上がった結果です。
今週は春闘の集中回答日の週で、恐らく昨年より高い妥結額が輩出するでしょうが、問題は、米価に見るように、政府が何故か消費者物価指数上昇に、あまりに寛容だという事が影響しているように感じられるところです。
今後は、中小の春闘が終結する6月ごろまでの消費者物価指数の動きがマイナスかプラスか、大変懸念されるところです。