東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!!

2025年01月10日 22時05分44秒 | 通常練習

明けましておめでとうございます。

ディンギー班新2年、470クルーの井出です。

今回のブログのテーマは「部員の知らない私」ですが、私はかなりオープンなタチで、ミステリアスさの欠片もないので、今更何を書こうかと迷いましたが筆を進めていこうと思います。

 

私は大の漫画好きで、先月は「るろうに剣心」にハマっていて、大学生にもなって作中に登場する「二重の極み」を試し打ちしたりと読んだ漫画にとにかく影響を受けやすい。クリスマス直前に熱だして冷えピタを貼ったときは「これクロロじゃね?」と某狩人系漫画に登場する、とある盗賊団の団長の簡易コスプレをしたりもしました(詳しくはクリスマスに投稿された大のブログをご覧ください)。そんな精神年齢が14歳で止まってしまっている私が一番影響を受け、おそらく現在の生き方にも影響を与えている作品が「ジョジョの奇妙な冒険」です。6歳か7歳の時に祖父母の家で流れていた第一部のアニメで主人公の飼い犬が焼き殺されていたのがトラウマで長らく避けていたものの、高一の頃にアニメを一気見して、癖しかないけど己の信念を貫くキャラクターたちや印象的なセリフの数々に魅了され、まんまとハマった次第です。第一部に登場する主人公ジョジョの波紋法の師匠であるツェペリさんはこんなことを言ってます。

それではジョジョ!『勇気』とはいったい何か!?

 

『勇気』とは『怖さ』を知ることッ!

『恐怖』を我が物とすることじゃあッ!

呼吸をみだすのは『恐怖』!

だが『恐怖』を支配した時!

呼吸は規則正しくみだれないッ!

波紋法の呼吸は『勇気』の産物!!

 

人間讃歌は『勇気』の讃歌ッ!!

人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!

 

いくら強くてもこいつら屍生人は『勇気』を知らん!

ノミと同類よォーッ!!」

恐怖という負の感情を認め、己に克ち、自分で道を切り開いていく...その生き様に人間としての素晴らしさが宿る。それに周りは感化される。ついでに私も感化される...いや、そこにシビれる!あこがれるぅ!んですね。

 

さて、私の漫画愛はここらにしておきます。私は夏休み部活を休み、6週間ウガンダにいたので、部内ですっかり「ウガンダの人」というイメージがついてしまいましたが、ウガンダで私が何を感じていたのかあまり皆さんにお話していなかったと思うので、「部員の知らない私」ということで当時何を思っていたのかに焦点を置きたいと思います。

高校時代まで漫画、ゲーム三昧で内なる冒険心が燻っていた状態で、大学に入って環境が変わったことにより、知らない世界に挑戦してみたいという冒険心が爆発し、私は昨年の夏休みに部活を休部させてもらい、アフリカのウガンダに6週間ボランティアに行くことにしました。

 

ウガンダでの生活は楽しかったけど、自分の無力さ、愚かさを嫌というほど感じました。別にボランティアがしたいというわけではなくアフリカを見てみたくてこのボランティアに参加したけど、せっかくボランティアとしてウガンダに来た以上何かしら現地にしたい、と最初は思っていました。でも、目につく課題は自治体、国単位のもので自分が何をしても根本的な解決にはならない。ゴミ問題を例に挙げるとすれば、ゴミの回収業者がほぼおらず、ポイ捨てが当たり前の文化で、燃えるゴミ燃えないゴミペットボトル関係なく一箇所にまとめてゴミを自分たちで燃やすような環境なので、ゴミの分別を教えたところで何の意味もなさない。”魚の釣り方”を教えたとしても環境を変えない限り、教えた”魚の釣り方”なんてものは彼らは無駄だと捨ててしまうだろう。そんな状態で自分は何ができるのだろうか、というかそもそもお金やモノ以外で彼らにあげられるものって自分にあるのか、と無力感を感じた。自分は何を持っているのだろうという問いにぶち当たった。

 

道を歩けば、肌の色の違いから”外国人”として目立ち、”金やモノを持っている人間”とみなされ、物乞いや値段のふっかけをされることもしばしば。30人の現地の人(10代〜20代前半)と共同生活した家でも「水ちょうだい、食べ物くれ、スマホ貸して」は日常茶飯事。その度に「学生に物乞いするなよ...暇そうにしているんだから働けよ...自然は豊かなんだから食べるものには困らないはずだろ...モノもらうのが当たり前になっちゃダメだろ...」と思うが、それは自分自身に見事にブーメランとして返ってくる。自分と彼らの違いは裕福な親がいるかどうかであり、結局自分は働かずとも親や周囲から学費や生活費を出してもらえて遊ぶことができ、自分も”モノをもらっている”に過ぎず、”モノをもらうのが当たり前”になってしまっているのだ。それを頭では分かっていても、モノを要求されることに嫌気がさし、彼らは悪い人たちではなく、むしろ優しい良い人たちであったため、それに嫌気がさしてしまう自分に対して自己嫌悪し、彼ら30人との共同生活で自分の時間の確保が難しくストレスが溜まり、最後の1,2週間は人と交流するのが本当に嫌になってしまった。

 

ウガンダ帰国後は軽い鬱というか本当に一人になりたい、無心に何かをしたいという気持ちが強まり、自転車で秩父までソロキャンプや葉山の合宿所に行くなどひたすら漕いで、頭をからっぽにしようと必死だったのかもしれないですね。

でもそういった無力感、自己嫌悪という負の感情を苦しみながらでも消化し、自分が無力であることを認める。その上で自分は何をするのか?と自分に問いかけ、足を運び、人と交流し、挑戦をやめない。それこそが人間讃歌、人間の素晴らしさだと思います。

まあでも、これ下手するとただの「苦しいけど前に進んでいる俺カッケー」ていう自己陶酔に陥ってしまうと思うんですよ。独りよがりになったら、自分の世界に閉じこもっているだけでなんの成長もない。一旦周りを見渡して、せめて自分を支えてくれている人への感謝の気持ちだけは忘れずに今年の部活に取り組んでいきたいなと思います。ヨットも海っていう人間じゃとても敵わないものを相手にしているスポーツで、その強大な海で非力な人間が知恵を振り絞って身体全体を使うところに魅力があるんじゃあないかと個人的に思います。これからの部活きついこともあると思いますが、『覚悟』を決めて乗り越えていこうと思います。

 

勇気を持って知らない世界へちょっと足を踏み込む、その一歩が「奇妙な冒険」へと誘ってくれる気がします。

 

まあ私が言いたいことは一つですね。

絵柄が苦手とか言っているんじゃあない!

皆さん、ジョジョを読みましょう。

以上です。


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