1月19日(月)
実は昨夜、帰宅途中、車で猫をはねてしまった。
走行中、モノレールの橋げたの陰から、急に飛び出してきた、というより飛び込んできた影を「ネコ?」と思った瞬間と前のバンパーに何かがぶつかる音がしたのはほぼ同時だった。
後続の車が迫っていて、急ブレーキはかけられず、車線変更してすぐUターンしようと思ったが、そのまま直進して次の交差点まで行かなければUターンできなかった。
現場に戻った時には、何台かが通り過ぎたり迂回していた。
私は、現場手前で停車して非常灯をともし、車内にあったビニール袋を持って、側に駆け寄った。
息があったら動物病院へ連れて行こうという望みは絶たれていた。
私は、まだ暖かくて柔らかいその体と、周りに散乱したものをかき集め、ビニール袋に入れた。
その柔らかさ、暖かさ、重みは、まだ、感触、感覚としてこの手に残っている。
そのまま、その袋を置き去りにするわけにもいかず、トランクに入れ、自宅に向かった。
途中、車と手を洗いたくてガソリンスタンドに寄った。セルフサービスの店で洗車はできたが、手を洗う場所がなかった。気が動転していたので、トイレを思いつかなかっただけなのだが。
とりあえず、110した。
電話の向うで警官は、「事故扱いになるので、管轄の警察署の指示を受けてください」と言った。
「事故扱いですか?」
「犬でも、猫でも、ぶつかったら物損事故として処理されます。場合によっては現場検証にも立ち会ってもらいます。」
ショックだった。
客観的に見たら当然のことだ。
でも、私はもっと違う言葉を待っていたのかもしれない。
管轄の電話番号を聞いて電話を切り、とりあえず近所の大型スーパーに手を洗いに向かった。
車に戻ると、管轄の警察署から携帯に着信が入っていた。
110て、逆探知できるんだ~!と妙なところで感心し、折り返し電話をかけた。
管轄の警察署の警官は、事情を聞いていたらしく、私がショックを受けていることを考慮してか、優しく対応してくださった。
「明日、保健所に連絡を取って、その指示に従ってくださればいいですから」
事故扱いと言うことには一言も触れず、私も怖くて自分からは聞けなかった。
家に着き、外から携帯で、娘に塩とコップに水を持って来るように頼んだ。
その間、庭の梅ノ木の根本にその袋をそっと置いて、手を合わせた。
家の中に入ってきた私は、きっと真っ青な顔をしていたのだろう。
今朝、妹が
「すごい事故現場を見て帰ってきたのかと思った」
と言っていた。
子ども達も、普段と様子が違う私に声がかけられなかったらしい。
でも、このことはとても子ども達には話せない。
今朝、保健所に連絡をし、環境整備事業所というところと連絡を取った。
回収に来てくださると言うのを丁重に断り、自分の車で運んだ。
受付で説明をしていると、電話に出てくださった方が入り口まで出迎えてくださり、
「ご苦労様です。明日こちらの方で処理しておきますから。」
とおっしゃり、
「飼い猫ですか?野良猫ですか?」
と質問された。
首輪はなかったので、
「野良猫のようです」
と答えた。
飼い猫だったり、知っている猫だったら、「ペット安らぎの里」というところにお願いしただろう。
野良猫だったからこういうところで処分してもらうのか・・・。
良心がズキズキ痛みながら、職員の人がその袋を持ち去る後姿を合掌して見送った。
今も、あの袋の重さを腕が覚えている。
私に出来ることは、あれが精一杯だった・・・。
動物愛護精神の強い人には責められるかもしれないが・・・。
私がこの後できること、心がけなければならないことは、同じ過ちを起こさないこと。この出来事を自分の中で風化させないで、運転する時はいつも思い出し、忘れないこと。
突発事故とは言え、一つの命を私が奪ってしまった事実を受け止めて、今まで以上に「命」の大切さを意識して生きていくことなのだと思う。
猫、安らかに眠ってください。
そして、今度は長く生きられる命をもらって、可愛がってもらえる人のところで天寿をまっとうできますように・・・。
実は昨夜、帰宅途中、車で猫をはねてしまった。
走行中、モノレールの橋げたの陰から、急に飛び出してきた、というより飛び込んできた影を「ネコ?」と思った瞬間と前のバンパーに何かがぶつかる音がしたのはほぼ同時だった。
後続の車が迫っていて、急ブレーキはかけられず、車線変更してすぐUターンしようと思ったが、そのまま直進して次の交差点まで行かなければUターンできなかった。
現場に戻った時には、何台かが通り過ぎたり迂回していた。
私は、現場手前で停車して非常灯をともし、車内にあったビニール袋を持って、側に駆け寄った。
息があったら動物病院へ連れて行こうという望みは絶たれていた。
私は、まだ暖かくて柔らかいその体と、周りに散乱したものをかき集め、ビニール袋に入れた。
その柔らかさ、暖かさ、重みは、まだ、感触、感覚としてこの手に残っている。
そのまま、その袋を置き去りにするわけにもいかず、トランクに入れ、自宅に向かった。
途中、車と手を洗いたくてガソリンスタンドに寄った。セルフサービスの店で洗車はできたが、手を洗う場所がなかった。気が動転していたので、トイレを思いつかなかっただけなのだが。
とりあえず、110した。
電話の向うで警官は、「事故扱いになるので、管轄の警察署の指示を受けてください」と言った。
「事故扱いですか?」
「犬でも、猫でも、ぶつかったら物損事故として処理されます。場合によっては現場検証にも立ち会ってもらいます。」
ショックだった。
客観的に見たら当然のことだ。
でも、私はもっと違う言葉を待っていたのかもしれない。
管轄の電話番号を聞いて電話を切り、とりあえず近所の大型スーパーに手を洗いに向かった。
車に戻ると、管轄の警察署から携帯に着信が入っていた。
110て、逆探知できるんだ~!と妙なところで感心し、折り返し電話をかけた。
管轄の警察署の警官は、事情を聞いていたらしく、私がショックを受けていることを考慮してか、優しく対応してくださった。
「明日、保健所に連絡を取って、その指示に従ってくださればいいですから」
事故扱いと言うことには一言も触れず、私も怖くて自分からは聞けなかった。
家に着き、外から携帯で、娘に塩とコップに水を持って来るように頼んだ。
その間、庭の梅ノ木の根本にその袋をそっと置いて、手を合わせた。
家の中に入ってきた私は、きっと真っ青な顔をしていたのだろう。
今朝、妹が
「すごい事故現場を見て帰ってきたのかと思った」
と言っていた。
子ども達も、普段と様子が違う私に声がかけられなかったらしい。
でも、このことはとても子ども達には話せない。
今朝、保健所に連絡をし、環境整備事業所というところと連絡を取った。
回収に来てくださると言うのを丁重に断り、自分の車で運んだ。
受付で説明をしていると、電話に出てくださった方が入り口まで出迎えてくださり、
「ご苦労様です。明日こちらの方で処理しておきますから。」
とおっしゃり、
「飼い猫ですか?野良猫ですか?」
と質問された。
首輪はなかったので、
「野良猫のようです」
と答えた。
飼い猫だったり、知っている猫だったら、「ペット安らぎの里」というところにお願いしただろう。
野良猫だったからこういうところで処分してもらうのか・・・。
良心がズキズキ痛みながら、職員の人がその袋を持ち去る後姿を合掌して見送った。
今も、あの袋の重さを腕が覚えている。
私に出来ることは、あれが精一杯だった・・・。
動物愛護精神の強い人には責められるかもしれないが・・・。
私がこの後できること、心がけなければならないことは、同じ過ちを起こさないこと。この出来事を自分の中で風化させないで、運転する時はいつも思い出し、忘れないこと。
突発事故とは言え、一つの命を私が奪ってしまった事実を受け止めて、今まで以上に「命」の大切さを意識して生きていくことなのだと思う。
猫、安らかに眠ってください。
そして、今度は長く生きられる命をもらって、可愛がってもらえる人のところで天寿をまっとうできますように・・・。