PEN-FTが続きましたので、今日はカメラはお休みさせて頂いて、腕時計のレストアを致しました。セイコー・クラウンは1960年の発売で、このモデルでスイスの時計に追いついたという優秀な機械です。この個体は21石のJ15003Eという後期の生産機だと思います。じつは、SS側(ステンレス)用のブラック文字盤を所有しており、SSのジャンクを入手してブラック文字盤のSS側を作ろうとしてオークションで入手したのですが、届いてみたら、あらら、金めっき側でしたよ。画像がハイキーで金色が飛んでおり、材質の説明も無かったための失敗です。しかし、劣化したケースにしては、機械は未分解と思われて、文字盤も非常に状態が良く、インデックスも太くてスペシャルのようです。インデックスが18kや14kなどの違いで、SD文字盤やAD文字盤などがあるようですが、6時の位置にマークがあるのですが、どちらのマークでもないようです。しかし、スペシャルには違いがないようですので、この個体を生かすことにしました。たまたま、デッドストック新品の同じ規格の金めっきケースを所有していたからです。左側がくたびれたオリジナルで、右がデッドストックの新品です。ただし、デッドストックにはセイコー純正の鶴マークがありません。しかし、その他は全く同じに見えますので、セイコーを通らず、流通をした補修用のケースなのかも知れません。この辺りのお話しは、カメラ以上にミステリーで、簡単にパーツを替えられることから、どれがオリジナルなのかは、研究家でも判別は至難のようです。私は、販売が目的ではなく、自分使い用として気持ちよく使いたいだけですので、時計に就いてはあまりオリジナルには拘りません。右下の巻き芯が欠品でしたが、やっと入手できましたので、組み立てることにします。機械は、すでにオーバーホールが済んで、エージングテスト中でした。全く問題ない機械です。
現存の金めっきケースは殆どが程度が悪いです。材質は真鍮のため、金めっきが摩滅したあとは汗でどんどん腐食が進行するからです。当時は、実用品ですから、真夏でも汗がついたままで毎日使い続けられたですからね。で、オーバーホール済みの機械に文字盤をセットしてから、新しいケースと合体させます。当初は、上側の巻き芯を使う予定でしたが、ネジ部が完全に錆び付いており、リューズが外れないため、新品の巻き芯を調達しました。
巻き芯はこのケースには、僅かに長いため、ダイヤモンドヤスリで慎重に寸法を詰めて行きます。 インデックスが太めなので良い感じですね。針も12時で揃うように取り付けています。風防を取り付ける前に、セイコーのハイポンタックにて、汚れや埃をくっつけてきれいにします。決して、擦ってはいけません。
風防が取り付いたら裏返し。キャリバー№560は機械の受けに殆どキズや腐食のない奇跡的な個体。防水ケースでないので、殆どの個体は水分が混入して腐食をしています。マーベル、クラウン、グランドセイコーに通じる優秀な機械。大きなてん輪が特徴です。
左が完成したJ15003Eでケースは初期型よりかなり大型化しており、約36mmあります。右は一つ前のJ15002Eでケースサイズは約35mmです。微妙な差ですが、文字盤は共用できません。外観は殆ど新品となりました。で、使うかとなると、裏蓋には保護のニスも塗ったままの新品ですから、もったいないですね。こうして使わないコレクションが増えて行くのでした。
今年も恒例となりましたペンスケッチ展8が開催されます。日程は渋谷会場は6月5日~10日まで。兵庫県の三宮会場は7月20~22日となっています。「誰でも何の資格なくお気軽に参加できるネット公募のフォトイベント」です。オリンパスペンは元より、昭和30~50年代に生産された国産のハーフ判で撮ったフォト作品で、撮影テーマ、出展サイズ、展示様式は自由となっています。愛用にカメラで撮影した作品で参加しましょう。
二次募集は3/1から12までです。詳しくは、