今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

あまり使用されなかったPEN-W

2012年03月05日 20時47分05秒 | インポート

Dscf098484 ちょっとご無沙汰でした。皆さんが私の体調を気遣って頂いて、修理機が少なめなのでジャンクの時計で遊んでいましたよ。来週後半は居ませんのでメールのご返事は週明けぐらいになります。で、これはセイコー・スーパーのケースが13型という初期のタイプです。リューズは巻き芯腐食のため無くなっていたので、内部に錆が進行していて不動。文字盤もすごい状態です。しかし、ケースはステンレス製のため、比較的状態は良いので何とか仕上げたいと始めています。透明なトップコートも黄ばんで、下地のニッケルも完全に風化しています。アルコールで拭くと、金のインデックスも落ちてしまいました。

Dscf098555 この文字盤はインデックスや「S」「SEIKO」が浮き文字ですが、一つずつ裏からカシメなんて高級なことはしてありません。プレスか何かですね。そこで、ブラックの文字盤を作ってみようという考え。タンポ印刷は設備が無いので出来ないので「SUPER」の文字は入りませんので、ペットネーム不明の時計になりますが、何とか見られるとの計算です。風化したニッケルめっきを化学剥離をしたら簡単ですが、インデックス部分のめっきは残したい。そこで、シコシコ研磨をしたところ。金めっきは塗装の後にした方が良いと思います。ケースもくたびれてはいますが、研磨をすれば、何とか見られるでしょう。

Dscf098520 そこへ、修理見積もりを差し上げたオーナーさんから「修理」の指示が入りましたのでボチボチと始めましょう。トップカバーの塗装の劣化は仕方ないとして、良く見ると、中々程度は良さそうですね。裏蓋の底部などは塗装の劣化も殆ど無く、リペイントをしたような状態です。過去に分解をされていますので、一応シャッターは切れますが、かなり緩慢な動きです。巻上げの感触がちょっと変ですが何でしょう? 問題はレンズです。バルサム剥がれや黄変ではなくて、中玉の曇りです。何とかリカバリーが出来ると良いのですが・・・

Dscf098551 巻上げ系は単に潤滑不足のようです。距離リングですが、無限まで締め込むと彫刻文字の下端が隠れますね。多少はPEN-Wの場合それで正規なのですが、この個体は隠れ過ぎというか、製品としてどうなのよ。というところ。レンズ部分を一度分離されていますので、無限遠が出ていない可能性がありますね。

Dscf098642 「今なに」の趣旨は分解推薦のためのブコグではありませんので、あまり分解の工程はUPしないことにしていますが、JHT(ジャパンホビーツール)さんから工具や潤滑油のご提供を頂いておりますので、ちょっとコマーシャルをしておきます。このシャッターの場合、ヘリコイドねじ部の分離にはこの工具が一番よろしい。本来は腕時計のねじ込み式裏蓋を開けるための工具です。この工具はスリットを傷めることなく、確実にトルクを掛けることが出来ます。分解時に部品にキズをつけないのをモットーとしていますので、工具の選択は非常に大切なことです。間に合わせ物、安物は部品を壊すだけです。上達の鍵は良い工具を選ぶことです。

Dscf098762 ばっかやろー、前回分解した人は、クロの塗料に似たネジロックを使用しているようで、あっちこっちのビスに塗布されています。シャッターユニットを本体にバックプレートを留める4本のビスも全て塗布されていますが、オリジナルはこの部分はネジ頭にネジロックを塗布してありません。これをされると再分解では非常に困ります。自分の時だけ良ければ、後のことは考えないのではダメですよ。厄介なことをしてくれる・・・

Dscf098715 シャッターユニットの裏側です。過去に分解を受けていますが、白いネジロックを除去しないまま緩めようとしたため、スリ割りが壊されています。おまけに、シャッターの製造捺印が消されています。

Dscf098997 シャッター内部は変なことをしてありましたが、基本的に程度の良いユニットですので、特に問題は無く組み上がっています。ファインダーユニットのミラーも劣化は無くきれいな状態でした。クリーニング済みのユニットをトップカバーに取り付けるところ。

Dscf099087 完成しました。レンズの曇りも、ほぼ良い状態となっています。PEN-Wとしては程度は良いほうですね。製造はシャッターの捺印が消されていることから、コパルでの製造月は断定は出来ませんが、1964-8月か9月の完成と思われます。オリンパスでの完成は9月で間違いありません。私の資料では、#102719が同じく1964-9月製ですから同じロットですね。1964年と言えば10月に東京オリンピックが開催される直前で、画像のYS-11は1964-8月に形式認定を受けて、日本全国にランタンに入れた聖火の火を運んだことを覚えています。東京五輪のマークをつけて、オリンピア号っていったかな? 忘れた。

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ペンスケッチ展8が開催されます。日程は渋谷会場は6月5日~10日まで。兵庫県の三宮会場は7月20~22日となっています。「誰でも何の資格なくお気軽に参加できるネット公募のフォトイベント」です。オリンパスペンは元より、昭和30~50年代に生産された国産のハーフ判で撮ったフォト作品で、撮影テーマ、出展サイズ、展示様式は自由となっています。愛用にカメラで撮影した作品で参加しましょう。

二次募集は3/1から12までです。詳しくは、

http://mazken.cocolog-nifty.com/