珍しいカメラが来ましたね。コニカ L と言うカメラですが、1961年の発売で、当時としては革新的なプログラム露光のカメラだそうです。女性向けに簡単に使えるカメラで、当時としては小型で、本体は明るいグレー塗装で、デザインも悪くはないと思います。私が気に入ったのは、ペトリの一眼と同じような前面に配されたレリーズボタン。これはカメラぶれが少なく、理に叶っていると思うのですが、何故か主流にはなれなかったですね。手ぶれの多い、女性が使うためにデザインされたのかな? いや、トップカバーのボタン位置には、露出計機構が入るので、レリーズボタンを配するスペースが無いということかも知れません。露出メーター窓や接眼部のマスクなど、接着されているものは、すべて剥離しています。
トップカバーには、軽いへこみが数ヶ所ありますね。軽く修正をしておきます。
シャッターはSEIKOSHA Lで特に複雑なところはありません。本体とのドッキングは古典的な裏側からのリングナット留め。←のメーター指針窓の保護カバーは殆どの個体で脱落しているようです。↑のギヤは、露出計を制御するもので、なんと糸のリンケージで繋がっています。分解してシャッターのメンテナンスをしておきます。
本体からシャッターユニットを分離しますが、裏からリングナットを分離する場合、手前にマスクがありますので、工具が入りません。どうやって組んだのでしょう? まぁ、たまたま、この個体は、四角いマスクの対角にナットのスリ割りが来ているため、何とか分離しました。しかし、なんでこんなにバカ力で締まっているんでしょうね・・
指針窓は樹脂板ではなくて、柔らかいセル板のような材質です。ピンセットの部分は二重に接着されており、赤だったのかなぁ? フラッシュとBの部分の表示だったのでしょうかね。作り直しをした方がきれいになるとは思いますが、「赤」の資料が無いので、古い接着剤を清掃して再使用することにします。
ファインダーは一見、距離計が入っているように見えますが、目測です。露出計は手前のプーリーを介して、PEN-FTと同じように、露出メーター自体を回転させる方式です。これでは、レリーズボタンを付けるスペースが無いですね。チャージ機構など可動部分のグリス交換をしておきます。
ファインダーの保護ガラスを分離して清掃してあります。良くある接着ではなくて、左右のビス留めは分解に都合が良いのですが、ビスのナットが固定でないため、ガラスに触れずに組み立てるのにはコツが要りますね。ご覧のように、指針窓は接着をしてあります。ちょっと見づらいですかね。作り直した方が良かったかなぁ・・
レンズ関係を組み立ててあります。グレーのリングを回して、露出メーターの針をメーター中央点に合わせれば適正露出。最後に、申し訳程度のシボ革を貼ります。裏蓋の開閉が手前に開くなど、個性の強い設計ですが、当時の洒落たデザインは嫌いではない。このレリーズボタンは押し込んでも全くカメラがぶれない。ピタッと安定しています。使って見れば良さが分かると思いますね。