今年の大型連休も終わりですね。天気は当初の予報よりも悪かったようで、「春に三日の晴れなし」とは言うものの、三日も雨が降り続いたりで、最近の天気は不順です。海外旅行へ行かれた方や、国内を撮影旅行に出かけた方も多かったのでしょう。私は、相変わらずで修理の仕事をしておりましたが、最終日は気になっていたルマン号を見てやりましたよ。もう半年以上、ほったらかしで心配でしたが、幸いそれほどのサビもなくてホッとしました。フレームはクロモリですが、パーツは殆どアルミとステンレスのためサビには強いので助かりました。乗れるかどうかは分かりませんが、シコシコ磨いてやります。放置時間が長いので、タイヤは替えてやりたいなぁ・・
お願いされていた二眼レフはオリンパス、フレックスと言うカメラ。私と同じくらいの歳なんですね。このカメラは、レンズの曇りが多いそうで、曇りの多い1群と2群は2枚レンズが分解出来ないようです。それで曇りの清掃が出来ないわけか?・・
メンテナンスには、どうしても前面のシボ革を剥離しなくてはなりませんが、ご覧のように、過去の分解で硬化したシボ革はバラバラ事件となっています。おまけに左のカバーの接着面はこちらも古い接着剤が残っており、通常の溶剤では溶けてくれません。それだけ永い時間が経過しているということですね。歳を取るわけだ。やっとここまで清掃しましたが、これだけで数時間。あまり古いのはなぁ・・
間が開きました。難物のFTをやっておりまして、何百台と治していても瞬時に原因の分からない故障はあって、日々研究です。ちゃんと治しましたけどね。
カウンターが12枚になるとフリーとなって、そのまま巻き取りますが、この個体は巻上げダイヤルがロック状態となってフィルムを巻き取れないとのことです。このシボ革の状態を見ると躊躇しますが、分解するしかないですね。
スプール軸は巻き取られる方向には回転して逆転は出来ないメカをコイルバネ1個で行っていますね。上は、六角レンチのホルダーですが、同じ構造ですね。
画像を撮り忘れました。各部調整で、カウンター12以降はフリーで巻上げられています。駒数ギヤの7の位置の歯がありませんね。ここでフリーとなるわけです。
気をつけないと風化をしてバリバリに破れてしまうシボ革を貼り直してあります。すでに何度も剥がされているので、特に下部の部分は状態が悪いですね。各ダイヤルを取り付けています。
シャッターはSEIKOSHA-RAPID #0 で、過去にメンテナンスを受けています。スローガバナーとセルフタイマーが目に付きますね。丈夫なシャッターで、作動に問題はありません。全体のメンテナンスと注油をしておきます。
前面のシボ革を貼りますが、すでにモザイク状態ですので、一つずつ貼り込んでいます。本当は作り直した方が良いですね。欠損部分は、手持ちのシボ革のパターンが似たものから切り出して貼っています。(ピンセットの先部分)手前はセルフタイマーのボタンが付く軸。チャージの間、ボタンを押し続けるとセットされます。
ロックレバーやセルフタイマーノブを取り付けて完成。セルフコッキングではないので、親指でチャージをしてレリーズボタンを押します。がっちりとした作りで、レンズに曇りが残っているのが残念ですが、F Zuiko 75mmは非常に良く写るらしいですね。私は撮ったことはありませんが。ちょうど私と同じ歳のカメラです。