ちょっとサボりました。特に作業はしていませんでしたので・・・。で、ビックリするようにきれいなキャノネットG-ⅢQLのブラックモデルが来ましたよ。後ろが、私の部屋の壁に下がっているクロームモデルですが、もう何年も触れたことがありませんでした。しかし、10年前でも、こんなきれいなブラックは見つけることが出来ませんでしたね。コレクションが流失したのでしょうか? 因みに、クロームのケースは、私の自作ですよぉ、それだけ気に入っていたカメラです。
とにかく、初代のキャノネットをぎゅっと小さくしたコンパクトサイズで、しかも、シャッタースピード優先EEとマニュアルが出来るレンジファインダーカメラと、一家に1台には充分なスペックを備えているカメラで、優れたデザインと共に、キヤノンの製品作りの上手さを強く印象づけるモデルです。
どこにも不具合が無いのが一番やりにくいのですね。強いて言えば、ヘリコイドグリスが抜け気味な感触で、条数の少ないネジですから、ガタが出やすいのですね。鏡胴のガタも、殆どのモデルにありますが、何段にも積み上げ構造なので、僅かなクリアランスの合成で、ガタが倍加されるようです。当時、SSに相談しましたが「直せません」とのことでした。当時、キヤノンで積極的に採用していたQL方式。私の初めての35mm一眼レフがFT-bでしたので、何の違和感もありません。当時、装填ミスは一度も経験しませんでした。赤の縞々は、フィルムが巻上げられる時に左右に動いて知らせる窓と赤白のプレートは、チャージのインジケータ。巻き戻し部には電池のチェックボタンと、至れり尽くせりの設計です。
まぁ、メンテナンスということで、作業を進めています。ファインダーのレンズ、ハーフミラーの状態も非常にきれい。鏡胴の各リングはブラック専用の黒アルマイト仕様。(クロームはパールアルマイト)右下の目出メータの白い紙片は、針が帯電することによる張り付きを防止するための絶縁紙。ヘリコイドグリスを追加しておきます。
一つずつの部品設計が、おもちゃチックというか、華奢な感じは全くありませんね。どう扱っても壊れない設計かな。ピンセットのプレートは、どうみても、エンジンのドレンパッキンだよね。
まぁ、そんなこと言っている間に、メンテナンス終了です。私のフィルターはキヤノンの純正品なんですよ。まぁ、売れるべくして売れたロングセラーの名機でしょう。私も欲しいブラックです。ちょっと重いですけどね・・・
茶暮れさんがケースにご興味がおありのようでしたので画像を追加しておきます。ヌメ革を染料で染めていますが、10年以上経過しても、意外に退色しませんね。距離レバーの可動範囲がありますので、かなり大きくキャンセルしなければなりません。
革クラフトの経験と工具をお持ちの方なら簡単に作れますが、心材は厚紙です。カメラのサイズを採寸して寸法を決めます。内側はラシャ布を貼ってあります。
じつは、この作り方は私のオリジナルではありません。ブームの頃に発売された雑誌に掲載された記事をヒントに作ってみたものです。この作り方なら、どんなカメラ用でも自由に作ることが出来るでしょう。材料工具はユザワヤへ行けば揃います。私の製作日数は1日です。このケースの他に、写真と同じ茶色でキヤノン7用を作りましたが、知人にカメラごと強奪されて行きました。