長雨が続いていた関東地方も、やっと日差しが出たと思ったら、いきなり気温が上がって体がついて行きませんね。まだエアコンは入れません。で、PEN-FTにお供で付いてきた初代のキヤノネット2台ですが、FTの方が特に問題は無く解決しましたので、1台仕上げてとのご希望ですが、ニコイチは2台のカメラを分解するので意外に工数が掛かって、キヤノネットでは工賃もきびしいなぁ・・
初代のキヤノネットは1960年ぐらいの発売だったかな? 両方ともASA400まで使える後期型のようです。どちらもシャッターと露出計も不動。セレンは片方が過去の分解でパターン部から断線していましたが、起電力はあるようです。では、露出メーターのどちらかが生きていれば治せるか・・点検の結果、1個はコイルの断線でしたが、もう1個が生きていました。では何とか仕上げることが出来そうです。
どちらもシャッターは不動なので、どちらをベースにするかですが、やはり生産が後の個体の方が程度が良いので、そちらをベースに仕上げることにします。セレンやレンズを分解して行きます。
シャッター羽根の固着もありますが、流石にこの時代のスローガバナーは動きませんね。すべて超音波洗浄をします。
セルフタイマーも動きませんので洗浄しますが、ベースのシャッターのタイマーをセットするレバーが無い??? 良く見るとレバー部が折れています。これは、MX接点切り替えがMの状態でセットをしようとしたのでしょう。Xでないとレバーはロックされて動かないのです。では、ユニットを画像のものに交換します。
シャッターを前板ごと外したところ。サイズ的に余裕を持ってがっちりと作られています。
露出メーターも移植しますが、上の画像のように、セレンからの配線はクランプされていて引っ張れないので、露出計の接点部で交換します。
発売当時の安値問題があったからと言って、特に手抜きのような部分はありませんね。非常に真面目に作られています。ハーフミラーが健在なのは時間の経過からすごいです。
内面反射を考慮した遮光カバーも手が込んでいますね。古いモルトの清掃貼り替えをします。
当時流行ったトリガー巻上げ。意外に速く巻き上げることが出来ますね。
カメラブームの頃には見切りのワゴンに大量に入っていたカメラですが、現存はどのくらいでしょうね。大口径レンズ付のボディーは非常に重いですが、当時はそれもステータスだったのでしょうね。