今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-S 2.8がどうなるのかの巻

2015年07月18日 13時11分33秒 | ブログ

すみません。掲示板の方に行ってまして留守にしていました。しかし、台風11号には迷惑するわ。雨ばかりで外でのバイクいじりが出来ません。で、カメラの作業はボチボチと進めていますが、熱中症の症状もあったりで、途中のUPは少なめにさせてください。

前期型の個体#3119XXではありますが、オーナーさんが素材を送り直してこられただけあって、全体的なコンディションは悪くはありません。シャッターは止まりますけどね。http://6609.teacup.com/koichi/bbs

吊環部に落下による陥没があります。一点に集中して力が掛かっているので、意外に陥没の修復は困難なのです。

 

 

で、現状はこのようになっています。メッキを剥離すると、巻上げダイヤル周辺では真鍮にピンホール状の腐食があります。きれいに見えても、メッキの下は腐食が進行しているのです。

 

よりによって関東地方は梅雨明け宣言が出た日に朝から塗装作業でした。汗を流すと目は見えなくなるし、体力と集中力のいる作業です。トップカバーに小さな塗装ブツがあって、オリンパス基準からしても良品として問題ないのですが、自分の気に入らないものは出したくないのです。よって修正吹きをして完成です。さぁ、ビール飲むぞぉ。

と言っても、かみさんと缶ビール半分こですけど。トップカバーの彫刻文字の色入れ、駒数ガラスは新品を接着、吊環の取付け、接眼部の遮光マスクの接着で完成。

 

このようになっています。

 

 

裏蓋は底カバーと背部のリベットカシメ、開閉キーなどの取付け、モルトり接着をしてあります。

 

O/H済みのシャッターユニットの搭載、2軸の取付けなど、本体メカはほぼ完成。

 

 この個体で面白いところは、本体へのシャッターユニットの取付け穴(4個)が皿ネジとなっていることです。取付け板の穴が皿用に加工されていますね。皿ネジの利点は位置決めが簡単に決まるということですが、何故か、これ以後の個体では、それまでと同じフラットなネジに戻されます。理由は? 推測ですが、巻上げのストロークを調整する場合、このネジとネジ穴の遊びの範囲でユニットの位置を微妙に調整することがあります。皿ネジとすると、その調整が出来なくなるので、組立現場からクレームが出て、元の仕様に戻された。かどうかは知りません。

 トップカバーにファインダーを取付けて本体と組み合わせます。駒数ガラスは新品としましたのでスカッときれいですね。

 

トップカバー横の留めネジがピンセット先の頭の大きなナベネジがついていましたが、う~ん、たぶんオリジナルではないと思いますよ。この部分はトップカバー側に皿ネジ用の座繰りがありますから。で、正規の純正ネジを塗装して使用しています。

これで完成です。使用頻度の少ない個体ではありましたが、前期型で、メッキ下やシボ革なども劣化しているのでやりにくい部分もありましたね。お預かりをしてから時間が経過をしたのは当方の都合ですが、夏場のリペイントは体力的にもきびしいです。あと、小間物が残っています。

PEN-W用フードのご依頼も頂いておりましたので製作しました。少し使い込んで頂くと、塗膜も落ち着いて馴染んでくると思いますよ。エージングをお楽しみください。

http://www.tomys800.sakura.ne.jp/