今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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新年初めはPEN-FTの巻

2016年01月08日 17時29分56秒 | ブログ

裏でセイコー・スポーツタイマーを製作していますが、もう少しでUPする予定です。で、カメラの方は新年初めはPEN-FT #3369XXと後期型で外観も悪くはありませんが過去に分解歴がありますね。最初のお話はセルフタイマーの作動不良でしたが、それだけではないようですのでオーバーホールをすることにします。露出計は作動していたとの事でしたが、こちらでは不動状態で、電池を点検すると完全放電しているので、新しい電池に交換しましたが、それでも作動しない。点検して行くと基板までに電圧が掛かっていない。原因は電池アダプターでした。当方のアダプターに交換して問題なく作動。あとは、巻上げ感が非常に悪いです。

ハーフミラーは清掃されていますが、33万台より以前のミラーに交換されているようです。拭き上げでメッキが薄くなっています。これは新品交換とします。

 

あぁ、ハンマーが開けられていますね。シャッター幕のアイドラギヤのカシメネジのスリ割が変なことになっていますよ。過去に見た記憶があるかも? はっきりとした記憶はありませんが、後天的にスリ割を着ける意味はないですね。

 

お正月休みが終わったと思ったら、また連休だそうですね。知らなかった。でと、この個体は、ブレーキのナットが緩んでシャッター固着となったようですね。

 

後期型ですから条数の多いシャッターバネです。ユニットも最終仕様ですね。特に摩耗や不具合はありません。洗浄、注油をして行きます。

 

前板関係もプリズムや光学系とリターンミラーユニットを洗浄注油して組みます。

 

シャッター単体では滑らかな巻上げ感触となっていますが、リターンミラーユニットが少し荒いフィーリングです。まぁ、最初の状態からはかなり改善されています。

 

前板をドッキングして、スライディングロッドを取り付けると・・あれれ、クラッチレバーと高さが合わないよ。過去に修理をした方は凝り性な方と見えて、緩めたネジに工場と同じ淡緑色の塗料を塗布してあります。(2か所) そうです、先端部の取付けが上下裏表なのです。

これが正解。余計なところに拘って、大事なところを間違える見本。

 

 

光学経路の組立。ハーフミラーは新品と交換して組みます。

 

 

不調で止まり気味のセルフタイマーの原因は殆どアンクルの動きによりますが、調子の悪いユニットは確かにありますね。何とか安定しています。

 

そもそものお問合せはセルフタイマー不調修理でしたが、古い精密機械ですから分解をしてみると色々と問題はあるものです。その意味でも全体のオーバーホールをお勧めしていますが、33万台の個体としては露出計のCdsの劣化が標準より進んでいて、過去の修理でもシャッターダイヤルのギヤの噛み合いをずらすことで、約2段ほど補正をしてありました。それでも感度低下の状態でしたので基板の抵抗により補正をしてありますが不安定感があります。最後に、剥離した文字の色入れを補修して完成です。

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