まだ風邪は抜けませんけど、ボチボチ作業を始めます。このPEN-F #1844XXは「フィルムを入れるとシャッターが切れない」というものですが、基本的な因果関係はないと思いますけどね。ダミーフィルムを入れて作動テストをしていますが、再現はしませんね。
PEN-Fは巻き上げレバー部のクラッチ爪のバネ(板バネ➡コイルバネ)が設計変更されていますが、画像右のバネ抑えのネジがM1.7と細く、(軸径から仕方がないが)緩み止めのために強くネジロックを塗布されていることから、分解は非常に神経を使います。強引に緩めようとすると材質が真鍮ですから簡単に折れてしまいますから溶剤を滴下しながら少しずつ緩め角を大きくしていくようにします。中には比較的簡単に緩む個体もありますが、その個体はネジロックが利いていなかったのでしょう。
この個体のように設計変更後のバネ抑えは外径が大きくなっていて、当然、ドライバーを掛けるスリ割りも長いですから大きなトルクを掛けやすいのもネジ折れの原因にもなりますね。みなさんは不用意に緩めようとしない方がよろしいです。
全反射ミラーは外周の腐食は視野外ですから問題ないとして左側にポツポツと腐食が見えます。今回はオーナーさんのご指示で清掃で再使用とします。
風邪を引いている時に水仕事はつらい。しかし、しっかり洗浄をしました。では、組み立てて行きます。
シャッターユニットは過去にプロが分解しています。テンションを上げた形跡があります。ということは、シャッターがフリーズする症状があったのでしょう。その他は特に不良の部分は見当たりません。ブレーキも、まぁいいでしょう。
問題はシャッターではなく、ミラーユニットの可能性もありそうです。ピンセット先のギヤ軸は片持ちなのできびしいのです。FTになると上側にプレートが付いてギヤのブレを防ぐ設計になっています。
全反射ミラーを清掃しましたが・・私としては本来は交換したいところですね。
まぁ、そのまま組み込みました。シャッターの作動は非常に良好です。
文字の色入れが殆ど抜けてしまいましたね。入れ直しておきます。
シャッターテストをしていますが、快調で問題はありませんね。
レンズを装着してのテストでも問題ありません。これで完成です。