不思議なもので、PEN-FをやっているとPEN-Fが集まってくるんだね。この個体はお父様が所有されていたものだそうで、30年間もミラーアップ状態であったとのことです。それを3か月前に近くのカメラ屋さんに持ち込んで少し使っていたら、またミラーアップをした。とのことです。問題はミラーボックス内に油が染みていることです。たぶんカメラ屋さんで油を点したんでしょうね。自転車じゃないんだからそんなことしちゃダメ。スクリーンに染みて行くと樹脂が侵されて乳白が透明になってしまうので緊急に分解します。付属の40mmにも油が飛んでいます。どれだけ油を点したのでしょう。
艶消し塗装が艶々しています。リターンミラー軸に注油したのかな?
シリアル№がキリ番ですよ。そう言えば画像を隠しても無駄ですけど・・巻き上げレバーが曲がっています。
トップカバーが凹んでいます。直して良いものか??
前板やシャッターダイヤルのネジが締まってなくてグラグラです。特にこのシャッターダイヤルのネジは2本共規格外。下のネジは細くて利いていません。よって、接着剤で固定されているという・・
ここでアクシデント。シャッターのテスト中にシャッタースピードをコントロールするコントロールレバーが折れました。少し前にも書きましたが、このレバーは折れるのです。この部分の部品番号は設定されていません。ガバナーASSYで交換せよ。ということです。そんなもの有るわけない。ちょっと探して来ます・・1個だけありました。ここの留めネジは緩み止めのポンチ加工がされているので、同じようにポンチ加工をしておきます。
で、こうなりましたね。
次は前板関係。すべて分解をして洗浄脱脂をしました。絞りレバー部に塗装剥離が目立ちますね。
塗装剥離はタッチアップしておきました。今日中に完成させる予定でしたが、アクシデントがありましたので今日はここまでとします。
レンズマウントだけ傷が多いですね。頻繁に乱雑なレンズ交換を行う使い方をしていたのでしょうか? 絞りレバーの塗装剥がれを補修してあります。
付属の40mmも過去に分解を受けてネジのスリ割りが痛んでいます。グリスも抜けていますから交換します。
途中アクシデントはありましたが、調子は良く仕上がりました。二代に渡って使い続けられる幸せな個体ですね。