本題の前にバイクお友達のLumpProofさんから残念な訃報が入りました。月刊モーターサイクリスト誌などでイラストをお書きになっておられた摺本好作さんが膵臓癌のためお亡くなりになったとのことです。
私たち60年代から70年代のオートバイ好きはバイク雑誌にはモーターサイクリスト派とオートバイ派がありまして、私はモーターサイクリスト派だったんですね。毎月掲載される摺本さんのイラストにはワクワクして大好きでした。あぁ、このイラストかぁと覚えていらっしゃる方も多いことでしょう。
正確精密なのにどこか柔らかでやさしいタッチのイラスト画は摺本さん独特のものでした。LumpProofさんと一緒にお伺いをするお話もあったのですが、果たせずに残念です。ご冥福をお祈りいたします。
PEN-Fのロングランが終わったと思ったらまたPEN-F? じつはPEN-Sなどの予定でしたが都合でPEN-Fになりました。この個体はご友人のお祖父さんの遺品を譲られたそうです。カメラは全くの不動。レンズは絞り羽根固着でFメーターは正常に作動するといったところです。
どうも、元オーナーさんが分解をされたようですね。マウントのスリ割りネジが笑っています。
シボ革は剥がされたまま。底部は? 結構来ていますね。錆て固着しています。
トップカバーを開けて見ると。。あらら、シンクロソケットのナットがありませんよ。素人さんはあまり分解をしないところですが・・
リターンミラーユニットを駆動させるMスプリングが折れています。これでは動かない。巻上げのチャージを二重に掛けてしまったのでしょう。
すみません。今日は外出していましたので作業はあまり進んでいません。PEN-FTは全て分解洗浄のうえスプロケット軸、スプール軸を組み立てました。長期に放置された個体は板止爪(逆転防止)が固着している場合が多いです。注油をしてスムーズに動くようにしておきます。その他、付属の38mmを先にオーバーホールしておきました。
しかし、今回の台風12号はおかしなコースをたどっていますね。北西に進む台風など記憶にありません。今年は世界的に豪雨などが多く異常気象ですね。で、この個体は元のオーナーさんが分解されて、結局元に戻せなくなったまま次の世界に旅立たれたということのようです。心残りだったでしょうかね。それでは私が後を引き継ぎます。C63レリーズ板はリンケージの設計変更により種類があります。初期のタイプでは、ピンセット先にバネがありましたが、この個体ではすでに廃止されています。
折れていたMスプリングは良品と交換して組みます。
ファインダーハウジングを取り付けるとカタカタと水平にならない。これは加工が良くないです。
接眼枠は分解すると割れていてバラバラになりました。今回は接着で修理再使用とします。
全反射ミラーは両端のメッキが抜けてしまっています。実用は問題ありませんが、ご希望により新品と交換します。
こちらの新品を使います。
ソケットナットが自然に緩むことは極稀にありますが、リード線のターミナルが接続されていますので脱落することはないですね。専用のレンチが無いと締め付けられないため外れたままで放置されてしまったか?・・
この個体も長期放置された個体ですから中心接点の酸化により導通不良となっていました。研磨をしてあります。
予め清掃をしておいた38mmとFメーターをセットしました。この個体も含めて、最近、中古屋さんの買取は遺品が多いのですね。発売当時に新品で購入された世代の方が鬼籍に入られる年齢なわけです。そして多くの個体は廃棄物として世の中から消えて行くのでしょう。若い世代のオーナーさんに引き継がれた個体は幸せなカメラと思いますね。
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