ミノルタ・レポSが出て来ません。みなさんのジャンク箱にありませんでしょうか?
これも中古カメラ店様のストックですけどね。すべてジャンクですけど、1台は部品取りで来ましたが、メーター不良が多いので1台のみしか仕上げがらないと思います。
セレンも不良で点検すると、アースのリード線が断線しています。
アース側で良かった。半田付けをして補強のためにエポキシ接着剤で保護しておきます。
絞り機構とレンズを取り外します。
シャッターはビハインドシャッター、1/125単速。絞り羽根とレンズを清掃します。固着しています。
メーターはコイル断線とピポット固着ですから部品取り機から交換です。
レンズと絞り機構はPEN-EEとそっくりです。フジカミニの発売は東京オリンピック開催の前月1964年9月で、PEN-EEの発売はそれより前の1961年7月ですから、完全に参考にしていますね。
結局、ダイヤルを回すとセレンからの配線と摺り合って断線をしている個体が多いようです。設計が良くありませんね。
露出メーターは作動はするのですが、上下のヒゲゼンマイが変形していて針の動きがオーバー目に出てしまいます。調整はしてありますが、感度調整用の半固定抵抗では、僅かな調整範囲しか取れません。ファインダー清掃とモルトの交換。
内部もきれいに仕上げてあります。スプールのスリップが早い傾向があります。中央対角2本のネジを締め込んで調整します。
裏蓋の清掃とモルト交換。先端のモルトと接触をする部分がモルトの変質によって錆びていましたので、研磨のうえタッチアップ塗装をしてあります。
巻上げは親指と中指で挟んでギリギリッと回します。メーター部の宝石(イミテーション)は赤ASA25 青ASA50 黄ASA100 緑ASA200を表し、使用するフィルムの感度に置き針を合わせて、メーターの針を合致させれば適正露出となります。
残念ながら今回は3台のうち1台のみ現役復帰です。後日、部品取り機が調達出来れば仕上げることは可能ですので残存部品は大切に保存です。女性をターゲットとした製品ですが、発売価格は¥9,600ですから当時としては安くはないですね。最後に専用のチェーンを取付けて終了。
これ無くしている個体も多いですが、専用のチェーンストラップも超音波洗浄をして取り付けました。銀色のシボ革裏地は紙なので剥離は非常にリスクがあります。ブラック塗装と銀のシボ革、怪しい紫系の保護フィルターの組合せは、私が子供の頃に流行った斬新でお洒落なデザインの匂いがプンプンしますね。