しばらく時計をやっていませんでしたので作業待ちが溜まってしまいました。私所有の時計も2つ仕上げたいのですが時間が取れませんね。セイコーLMスペシャル5206-6130です。通好みのモデルですが、オーバーホール時期不明とのことで作業のご依頼です。風防ガラスに欠けがあるのでヨシダの風防ガラスが付いて来ましたが、インナーリングが金色ですから金ケース用ですね。組んで良いのかなぁ?
12時付近が欠けています。
データ的には悪くはありませんが振り角が小さいようです。
きれいな機械ですね。ということは過去に分解は少ないということでしょう。
5206Aは諏訪の機械に慣れていると組みにくいですが、カッチリとして精度の出る優秀な機械です。
では二番車ホゾ穴にS-4グリスを塗布して組立始めます。
ガンギ車を組んで秒針規正装置とバネを取り付けます。
輪列を置いて受ケを取付けます。
天真の摩耗は少ない方だと思います。アンクル石に注油をしないとスムーズに動きません。
海外の高級機の場合、カレンダーの送りが瞬間送りを採用しているモデルが多いですが、この機械も瞬間送りです。しかし、それによって部品点数は増えてメカも精密複雑化しています。諏訪の機械は高級機でも、だらだら切り替えが多いですけとね。
注油はマニュアル通りに実施しないと作動の不具合が出ることがあり間ます。
文字盤はきれいな方ですが、6時のLM部分にシミのようなものが発生しています。
風防ガラスは金ケース用をそのまま使用してくださいとのことです。ケースは傷が多く、研磨のご依頼はありませんが、ベゼルは軽く磨いておきます。
ケーシングをしてベアリングに注油をした回転錘を取り付けます。
ワンポイントで金が入るデザインもありますのでね。ガラスがダイヤカットで同径の風防ガラスもありますから、リングが銀色仕様の製品を見つけられても良いと思います。洗浄をしたメッシュベルトを取付けて完成。