シチズン・デージー 17石という女持ち(婦人用)の腕時計が来ています。私、何が嫌いって婦人用の分解組立が嫌いです。部品点数は多くはないのですが、とにかく小さいでしょ。調べてみるとデージーの発売は1963年(東京オリンピックの年)頃だそうです。Cal.1700 で21600振り(6振動)。調子が悪いとのことです。
婦人用の機械は、大体このアーモンド形。四角いデザインのケースにも対応しやすいようにでしょうね。ですから、見かけよりももっと機械が小さいのです。キャリバー№は入っていませんね。「17J」は石の数だと思います。
過去に何度かO/Hを受けているようですが、長短針の位置が合っていませんね。何度も抜き差しで圧入が緩んでいるのかも知れません。
写っていませんが➡の部分に大量の油が付着しています。香箱から流れ出た可能性があります。
その香箱ですが、中心部が盛り上がっています。シチズンの場合、丸穴車だけでなく角穴車も左ネジを使っている場合が多く、このモデルもそうでした。それを知らずにネジを緩めようと締め込んでいるうちに変形した? さぁ、それは分かりません。極力修正をしておきます。
すべて超音波洗浄をして組み立てて行きます。
組立終了。天真とアンクルに注油をしておきます。
組み上がったままで未調整のデータ。遅れるので緩急針で無理に進み方向にしていたのでしょうか。
昭和51年10月発行のメーカー資料には記載がありませんでした。
文字盤と針を付けます。
紳士用の非防水モデルと同じデザインですから、対象物がないと大きく見えますね。風防ガラスは途中で交換されているのか樹脂の劣化はないので傷の研磨をしてあります。古い婦人用の腕時計は需要が無く、評価価格も無いので世の中から消えて行きますが、残してほしいと思いますね。