WWⅡでは日本を含めて各国でライカコピーが作られたようですが、アメリカではカードンですね。実際には戦争には間に合わなかったので、アメリカ陸軍通信隊向けに製作されたカメラがPH-629/UFとのことです。
リボンが切れてから長い時間が経過したようで、幕もヨレているので、本来は幕交換が良いのでしょうけど、ピンホールは無いので今回は切れたリボンを交換してみます。
切れたリボンを取り出して寸法を測ります。
上下のリボンが平行に引くように調整をしています。
裏側。光線漏れはありません。本体は板金物なんですね。
シャッターを切って作動を見ます。
今日26日はカメラ市の最終日でしたので撤収のお手伝いに行っていて、先ほど満員電車で戻りました。よって作業は進んでいません。で、問題はスローが効かない。
今まで見たスローガバナーの中で一番摩耗が進んでいるかも知れません。各ホゾ穴は拡大(ホゾが痩せる)していてガンギ車はヨレって回転するし、クラッチ車は空転するし、ピンセット先のリターンスプリングは張力が無くなっていて戻らない。時計の場合でしたらホゾ穴の拡大はポンス台で叩いて絞めるのですが、さてどうしたものか・・
スローガバナーはバルナックライカのものと同様というかコピーですかね。但し、加工精度はあまり良くはない印象です。中央の4つのコロはワンウェイクラッチで一方向の回転のみロックをするようになっています。このコロに油が回ってロックしない状態でした。超音波洗浄をして、ここは注油は厳禁です。これは、PEN-FTのセルフタイマー(改良型)と同じ構造というかライカをヒントにした可能性が高いですね。
正常に作動するようにしたスローガバナーを組み込みましたが、スローレバーとカムの高さが合わず外れてコントロールできない状態でした。
付属のレンズはKodak Ekter 47mm f2 ですが、少し汚れと特徴的なギヤ駆動のヘリコイドが重いです。
メンテナンスをしておきます。
低温下での手袋使用を前提とした巻き戻しノブの大型化や低速側のシャッターダイヤルに突起などが目につき、バルナックライカとは違った雰囲気です。作りとしてはライカには及ばないかなぁという印象でした。