笹原ペンさんからしばらく前に来ていたコニカⅡBですが、例によって物置に忘れ去られていたようなコンディションでホコリまみれです。しかし、作りは非常に良質で重厚な雰囲気です。この個体はレンズはヘキサー50mm f3.5付ですが、f2.8付では発売当時の価格が28,620円とのことですので現在の貨幣価値は10倍以上とすると高級カメラです。小西六は戦時中は陸軍の偵察機に搭載する航空偵察写真機を製造していた企業ですから、作りはがっちりとしているのは当然かと思います。
左側のシボ革が一部欠損しています。材質は繊維質のものではなく、ライカのグッタペルカを薄くしたような完全に樹脂の固まりですから古くて乾燥をするとバリバリに剥がれてしまうようです。
2枚構成を分離して清掃します。この頃のレンズは変なコーティングや新種ガラスが使われていないためか清掃できれいになるものが多いと思います。
問題はシャッター。KONIRAPID-Sはコンパー型のシャッターですが、全く動きません。
スローガバナーを洗浄しても引っ掛かりのような動きでスムーズに作動しません。地板はカシメで分解不能。各歯車の仕上げが荒く噛み込むようで、歯を一枚ずつ研磨していきます。
もう一つの原因。リターン用のゼンマイの巻き込みに癖が付いていて歯車に接触をするのもスムーズに動かない原因です。形状の修正をします。
後玉の中央下部分に水滴のようなものが見えますが、これは反射ではなく現状です。後玉はカシメで分解が出来ません。
全面の化粧プレートがこの時代としてはおしゃれですね。シボ革を補修します。
ドンピタは無いですけど、ストックの中からこれはPENのパターンで黒色のものをチョイス。この時代はニコンなども同じようなパターンです。ストックのシボ革も在庫が少なくなって来ていて貴重です。現在市販されているものとは雰囲気が違うのですよね。
汚れを清掃してみると・・この頃に多い金コートではありませんね。随分ときれいです。
元の作りがしっかりとしているのできれいになりましたね。定評のあるヘキサーレンズはどのような写りをするのでしょう?
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